前橋育英が昌平に3発快勝!プレミア昇格へ向け大きな勝利を掴む

この日のゲームで大活躍を見せた前橋育英MF徳永涼

 昇格を争う両者の一戦は予想外の大差が付いた。

 10月3日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東の第14節が各地で行われ、前橋育英(群馬)はアウェーで昌平(埼玉)と対戦。序盤から相手にボールを支配される展開となったが、要所を締めて3-0で勝利を挙げた。

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 U-18日本代表候補の笠柳翼(3年)がコンディション不良でベンチスタートとなった前橋育英は、FW守屋練太郎(3年)の相方にFW高足善(2年)を置き、2列目には小池直矢(2年)、渡辺亮平(3年)を起用。キックオフ直後から昌平にテンポ良くボールを回される場面が見られたが、前橋育英は臆せずにボールへアタックしていく。

 序盤は思うような守備ができなかった前橋育英だったが、時間の経過とともに中盤でボールを奪う場面が増加。ダブルボランチの根津元輝(2年)、徳永涼(2年)が出足の鋭い守備で相手の侵入を防ぎ、素早く前線にボールを配給してリズムを作った。すると、26分だ。高い位置でプレスを掛けると、セカンドボールを拾った渡辺が最終ラインの背後にラストパスを送る。相手DFの裏に抜け出した守屋がGK西村遥己(3年)との1対1を制し、冷静に先制点を決めた。

 以降は相手のボールを繋がれ、自陣で耐える時間が続く。28分に右SB本間温士(3年)の折り返しから篠田翼(2年)にゴールを脅かされると、43分にはMF米陀大洋(3年)のスルーパスからFW井出蓮(3年)に決定的なシュートを打たれてしまう。しかし、ここはGK渡部堅蔵(3年)の好セーブに事なきを得て、1-0で前半を折り返した。

 前半の終盤に押し込まれた前橋育英は、後半の頭から高足に代えて笠柳を投入。左サイドハーフに置き、小池が最前線にポジションを移して反撃を試みる。この交代策がハマり、左サイドで笠柳がボールを収めて攻撃に幅をもたらす。根津と徳永が中盤でボールを奪うと、笠柳を軸にショートカウンターで一気に攻め込む。66分には小池が仕掛け、右足でゴールを強襲。その後も中盤でうまくボールを刈り取り、素早くパスを前に付けて決定機を作っていく。73分には右SB岡本一真(3年)がゴール前で仕掛けると、右サイドの渡辺にラストパス。深い位置からゴール前に入れると、渡辺が決めてリードを広げた。

昌平 vs 前橋育英

 これで流れを引き寄せた前橋育英は84分に左SB岩立翔汰(3年)の右CKを蹴ると、ファーサイドに飛び込んだキャプテンのCB桑子流空(3年)が頭で合わせて勝負を決定付けた。

 終わってみれば3-0の快勝。大一番を制した山田耕介監督は、「とにかく全員で頑張ってくれた」と選手たちの頑張りを賞賛した。とりわけ、この試合で目立ったのはボランチの徳永だ。今季からチームのエースナンバーである14番を背負う2年生MFに対し、指揮官も「徳永のディフェンス力が凄かった。それがはっきり分かったし、良い選手になりつつありますね。もっとこれから良くなると思う」と賛辞を惜しまなかった。

 勝ち点を22に伸ばし、3位昌平との勝ち点差を7とした前橋育英。3位以内に与えられるプレミアリーグの参入戦進出にまた一歩近づいた。残り試合も少なくなる中で、ここからどのような戦いを見せていくのか。選手権予選後に再開されるプリンスリーグ関東での戦いぶりが楽しみになる昌平戦の勝利だったのは間違いない。

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東