“負けられない一戦”に勝利した三菱養和SCユース!東京ヴェルディユースを2-1で下す!

喜びを爆発させる三菱養和FCユースイレブン(写真=森田将義)

 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東は、2日に第14節を実施。三菱養和SCユース(東京)と東京ヴェルディユース(東京)による一戦は、FW洪怜鎭(3年)とDF西久保駿介(3年)のゴールによって、三菱養和が2-1で勝利した。

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 三菱養和SCが負けられない理由を挙げればキリがない。プレミアリーグ復帰をかけたプレーオフ進出を果たすには、今節を含めた残り5試合での取りこぼしは許されない。「養和とヴェルディは、読売クラブだった頃からのライバル関係という歴史がある。そこにかける想いは共に強かったと思う」(DF森山純平、3年)というのも、選手を奮い立たせる理由の一つ。そして、何より緊急事態宣言が解除となり、ホームの保護者のみとはいえ、久しぶりの有観客試合となったのは大きい。「試合を観て貰えるのは、凄く自分たちの力になる。本当に選手たちも、気持ちは高まっていた」と話すのは森山だ。

 前半に主導権を握ったのは、中後雅喜監督が「前期は失点が多かったので、守備の所を意識してきた。攻撃の所は、より中を使っていく意識してきた。今まで準備してきたことが前半はできた」と振り返る東京V。MF根本鼓太郎(3年)を中心にテンポよくパスを繋いで押し込むが、三菱養和としてはボールを持たれるのは想定内だった。「ヴェルディさんとやる時は相手がとても上手いので、ボールを回される展開は予想していた。立ち上がりからガンガン行くと体力が持たないので、前半は耐える時間帯だよと皆に話していた」と振り返る森山を中心に粘り強い守備を続けた。

 34分には、根本がDF背後に入れた浮き球から、FW福西翔太(3年)がゴールを狙ったが、カバーに入った西久保がクリア。危ない場面は46分にGK町田佳祐(2年)が足で防いだ福西のシュートくらいで、最後の局面で身体を張り、打たせない守備が目を惹いた。前半の守備について、森山はこう話す。「シュートを打たせるという成功体験は、相手の活力になってしまう。でも、回されている分には怖くないよというのは守れているという気持ちになる。前も一生懸命に追いかけてくれているので、『やれているぞ』と声を掛けていた」。

三菱養和SCユース vs 東京ヴェルディユース(写真=森田将義)

 後半に入り、三菱養和は相手のリスタートとビルドアップに狙いを定めて、高い位置での守備を徹底。奪ってからは素早く前線へと運び、東京Vを押し込んでいく。キーとなったのは、左利きの司令塔MF嵯峨康太(3年)と、「お兄ちゃんが養和にいたので、バギーに乗っていた頃からの“養和っ子”」と笑う洪の2人。後半11分には左サイドでボールを持った洪が力強い突破からシュート。17分には、嵯峨のパスを受けた洪がカットインからゴールを狙った。後半に入ってからは東京Vに攻撃をさせず、ピンチは途中で入ったMF橋本陸斗(1年)のシュートくらいだった。

 それでも、なかなか1点が遠かったが、26分には嵯峨のパスから、PA右を抜け出したFW須藤太一(3年)が倒され、PKを獲得。このチャンスを洪が力強く左に決めて、三菱養和が先制した。「絶対に自分が蹴ろうと思っていたら、須藤も快くボールを渡してくれた。正直、めちゃくちゃ緊張したけど、気持ちでねじ込もうと思っていた」と洪は振り返る。40分には、MF嵯峨康太(3年)と洪が右CK付近で粘り強くボールキープし、ゴール前へ。FW赤井ウェズリー景太(3年)のボレーシュートはDFに阻まれたが、こぼれ球を西久保が豪快に叩き込み、2点差に。42分にはMF根本鼓太郎(3年)に決められ、1点を返されたが、最後まで集中を切らさず、リードを保ったままタイムアップ。東京対決を制した養和が勝点3を積み上げ、順位は4位まで浮上した。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東