後半ギアを上げた履正社が2トップのゴールで初勝利!

決勝ゴールを決めた履正社11番FW宮路峻輔

 4月17日、高円宮杯U-18プリンスリーグ関西の第3節、大阪産大附(大阪) vs 履正社(大阪)がJ-GREEN堺で行われ、後半2トップの宮路と廣野が揃ってゴールを挙げた履正社が2-0で勝利した。大阪産大附はこれで3戦未勝利、前節順延の履正社はこれが初勝利となった。

 立ち上がり、履正社がボールを保持しサイドを変えながら大阪産大附を揺さぶる。しかし、大阪産大附もアグレッシブな寄せと素早いスライドでこれに対応。集中した守備で相手にゴールを許さない。すると流れは大阪産大附へ傾き、10番MF島田賢斗を中心にチャンスを作りだす。しかし、大阪産大附はいい位置での直接FKやCKを次々と獲得するも、これを決定機に結びつけることが出来ずに前半を終える。

 前半、攻撃陣が低調に終わった履正社は後半に入り一段ギアを上げ、2トップの9番FW廣野大河と11番FW宮路峻輔が前線から猛烈なプレスを掛け大阪産大附を押し込む。すると47分、左サイドからのFKにゴール前で15番MF山中大輝がDFを背負いながらヒールで合わせたボールがゴールに吸い込まれる。山中のゴラッソかと思われたが、これはオフサイドがあったとしてノーゴールに。嫌な空気が流れた履正社だったが、そこから14番FW明願斗哉と16番DF西坂斗和が左サイドを攻略し始める。すると59分、その西坂がPA内左を縦に仕掛けて中に入れたボールを宮路が上手く納め、左足でゴールに流し込み先制に成功。その後も手を緩めない履正社は75分、混戦のペナルティーアーク付近で倒れながらこぼれ球を拾った廣野が、起き上がりながらコントロールして迷わず右足を振り抜く。このシュートがゴールネットに突き刺さり履正社に貴重な追加点が入る。これで完全に主導権を握った履正社がその後も押し気味にゲームを進め、そのまま試合終了。両FWの揃い踏みとなった履正社が2-0で大阪産大附に勝利した。

 試合後、履正社の平野直樹監督は「前半運動量が少なくて思うようにいかなかったので、ハーフタイムに『システムとかではなく、相手ボールでも攻撃の時でもとにかく走ろう。シンプルなことをしっかりやろう』と修正して、後半は段々とボールも人も動くようになって、本来のうちの形に近くなったのは良かったかなと思います。」と試合を振り返り、前節が順延となったことの影響については「試合をさせてあげたかったですね。前日に決まったので。まあいい中休みになったかなと思います」と話し、初勝利をあげたことに関しては「負けなしでは来てるので、一つ一つ積み上げていくしかないので、次の試合に向けてしっかりいい準備をして、今日よりもいい内容のゲームで、ステップアップした課題を見つけられるようにしていければいいかなと思います」と先を見据えた。

 「前節怪我でベンチ外だったので外から見ていて、勝ちゲームを落とした感じだったのでものすごく悔しくて、次は勝ち点3を絶対取るつもりでこの一週間しっかりみんなで準備してきました」試合後、決勝点となる先制ゴールを挙げた11番FW宮路峻輔はそう話した。「いつも後ろに助けてもらっているので少しでも楽をさせてあげたい。そこはこだわってやっています」と前線からの守備に走り回った宮路。「中学の時は攻撃の事ばっかりやっていて、あんまり走れなかった。履正社に来てから守備の大切さを学びました。」とガンバジュニアユースの頃からプレースタイルが変化したという。「最初はそのまま打とうかと思ったんですが、DFに寄せられたのでシュートが当たらないようずらしてから打ちました」と今では守備に走り回った上でもゴール前で冷静な判断が出来るまでスタミナも向上した。「チームとしては優勝したいですし、個人としては(ゴールを)二桁取りたいです」と語った宮路が目標に向かって突き進む。

(文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西