MF玉山樹のゴールで東海大仰星が引き分けに持ち込む。大産大附は白星を逃す

東海大仰星 vs 大阪産大附(写真=森田将義)

 高円宮杯U-18サッカーリーグプリンスリーグ関西は18と19日に第13節を実施。東海大仰星大阪産大附の一戦は2-2の引き分けとなった。

 立ち上がりから見せ場を作ったのは、大産大附属。前期に仰星と対戦した際に開始1分で失点したことを反省点とし、「相手よりも上回れる部分は立ち上がりから全て上回ろうというのが、今日のテーマ」(中西幸司監督)が功を奏した。斜めのボールを多用し、サイドからチャンスを演出。前半7分には、右サイドからMF島田賢斗(3年)がカットインから後方に下げ、MF藤本大輝(3年)がシュートを放った。12分には、自陣でのクリアボールを引いて受けたFW増田哲平(3年)が右前方へ。走り込んだ島田がクロスを上げたが、CKとなった。

 サイドからの仕掛けだけでなく、この日は守備も機能。3日前に行ったばかりの阪南大高戦で4失点した反省を踏まえ、プレッシングの位置やライン設定を見直したことが奏功したが、飲水明けの30分には自陣でのビルドアップをFW北野慶汰(1年)に奪われると、近くにいたFW山本青英(2年)に決められた。主将のMF松名大輝(3年)が「自分たちのミスや気持ちの問題で押し込まれていた。どこかで一歩引けていたり、勝とうとはしていたと思うけど、後手に回っていた」と振り返る仰星にとっては貴重な先制点。一方で、「前半で2、3点獲るのが理想だったので、まだまだ」と続ける通り、以降が続かなかった。

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東海大仰星 vs 大阪産大附(写真=森田将義)

 良い試合運びを見せながらも、追いかける展開を強いられた産大附属だが、「前節は4失点して沈んでいた。今節は失点したとしても、下を向かずに残り時間のうちに逆転しようとしていた。ペースも悪くなかったので、やってきたことをやり続けようと話していた」(中西監督)。後半もサイドから見せ場を作ると、後半10分には左CKがハンドを誘発し、PKを獲得。このチャンスを島田が決めて同点に追いついた。34分には、MF清水亮太(3年)が競り合ったこぼれをMF西岡奏音(3年)が決めて逆転まで持ち込んだが、仰星の選手も最後まで諦めない。

 残り10分を切ってからは、チームの持ち味であるロングスローを繰り返し、大産大を押し込んだ。38分には、DF竹内伊吹(3年)のスローインがゴール前へ。MF中本昇(1年)が競り合ったこぼれ球をMF玉山樹(2年)が押し込んで、同点で試合終了を迎えた。

 大産大附属は及第点と言える試合内容を見せながら、白星を逃す格好となったが、中西監督が「守備は選手同士が声を掛けながら気迫を持って戦えるようになった」と称えたように収穫は十分。攻撃の精度を高めて、間近となった選手権予選に向けた準備を進めていく。

 対する仰星は悔しさが募る一戦となった。松名は「プリンス残留がノルマ。絶対に落としてはいけない。チームの一番の核となる存在になって、チームを勝たせたい」と残り試合に向けて口にする。「選手に対する期待は大きいので、自分たちで変えていく力をつけて欲しい。もっと心を強く、熱を持って取り組んでくれれば」とハッパをかけるのは中務雅之監督。上手くいかない試合を良薬に変え、選手権予選では仰星らしい懸命な戦いを見せてくれるはずだ。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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