大黒柱キャプテンMF武仲勇海の決勝ゴールで金光大阪が三田学園を下す!プリンス残留に向けて大きな1勝

決勝ゴールを決めた金光大阪キャプテンMF武仲勇海

 高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関西の順延試合、第10節1試合がが9月23日にJ-GREEN堺で行われ、9位三田学園(兵庫)と10位金光大阪(大阪)の一戦はMF武仲勇海のゴールを守り切った金光大阪が1-0で勝利した。これが今季2勝目となった金光大阪は三田学園を抜いて9位に浮上した。

 「前半は全員が中々ゲームに入れず、ミスが連発していた」(MF武仲勇海)。「前半は全然ダメでした。守備の的も絞れていなくて、イージーミスも多かった」(岩松哲也監督)と2人が口を揃えたように上手く試合に入れなった金光大阪。対して、怪我でエースのFW長野壮を欠いた三田学園は9番FW宮内泉太朗が前線で上手くボールを収め丁寧に攻撃を組み立てていく。劣勢の金光大阪も10番FW小松勇輝クワァベナが前線で体を張ってボールをキープ。しかし収めた後が繋がらずペースを掴めない。前半終盤にFW小松のポストプレーからバー直撃のシュートが生まれるもオフサイドの判定。三田学園も最後の崩しが上手くいかず、金光大阪の身体を張ったDFに手を焼き両チームスコアレスで前半を終える。

 雨もパラついてきた後半、最初にチャンスを迎えたのは三田学園。52分、左サイドFW宮内からのサイドチェンジが20番FW宮島幸大に収まると、宮島がDFを背負いながらキープする間に14番MF次橋颯太が走り込み、宮島が足裏で逸らしたボールでスイッチして抜け出しシュート。綺麗な崩しをみせたが肝心のシュートはGK正面。

 このピンチを凌いだ金光大阪は選手交代も使いペースを握り始め、遂に待望の先制点を手にする。65分、右サイドを16番MF丹南龍平が縦に突破しクロスボールを入れると「練習からしっかりニアで潰れるのを意識して、チームとして徹底してやっていたのでそれが形になった」とニアに入っていたMF武仲が潰れながらもゴールに流し込んだ。

 これで攻撃のリズムを掴んだ金光大阪はMF武仲がボールを散らしながらサイドを中心に攻撃。相手のDFラインを下げさせてバイタルからシュートを狙うなどやりたい攻撃が形になっていく。追い付きたい三田学園も6番MF三浦太輝が中盤でボールを奪うとそのまま持ち運び強烈なミドルシュートを放つも、惜しくもシュートはバーの上に外れてしまう。

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プリンス関西第10節 三田学園 vs 金光大阪

 試合終盤に入ると後半から降り出した雨が勢いを増し、88分には雷によって試合が中断。結局このまま試合が成立となり、再開することなく終了し1-0で金光大阪の勝利となった。5月5日の第6節、東海大仰星戦以来の勝ち点3を獲得した金光大阪は順位を1つ上げ最下位を脱出し9位に浮上した。

 プリンスリーグ関西残留がマストとなる金光大阪にとっては大きな勝ち点3になった。しかし選手権大阪予選で昨年の準優勝を上回る優勝を狙うチームにとっては残された時間も僅かだ。金光大阪は夏休みに参加予定だった和倉ユース大会を直前で辞退する事になってしまい、青森山田や流通経済大柏などの強豪と試合が出来る機会を失ってしまったのだ。選手権まで貴重な実戦の機会は少なく、残り2分+ATだけでも時間が惜しい。「前節の阪南大高戦もATに失点してしまって、前々節の京都橘戦も終盤に失点して負けてしまったので、それを克服する意味でもやりたかった」と岩松監督は雷で中断し、そのまま試合終了となったことを悔やんだ。

 選手権に向けてのチームの仕上がり具合に関して指揮官は「多少は良くなってきているんですけどまだまだです。次の大阪産大附戦で勝ち点をもぎ取るようなことがあれば、『自分たちのやっている事が間違っていない』とちょっとは自信に繋がると思います」とあと一歩というところまでは来ているようだ。「今年の3年生はみんな真面目で取り組みはいいんです」(岩松監督)というチームカラー。その真面目さをストロングポイントにして、大黒柱のMF武仲を中心に「セットプレーやセカンドボールを拾うところの冷静さ」という課題をどこまで仕上げられるか。「トーナメントは別物ですから」と最後にコメントし勝負師の一面を見せたを岩松監督率いる金光大阪の"ラストスパート"に注目したい。

(文・写真=会田健司)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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