プレミア復帰を目指す愛媛FC U-18、Jクラブユース勢対決を4-2で制す

愛媛FC U-18FW梶原彗汰

 高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2021四国は、25日に延期となっていた第5節を実施。徳島ヴォルティスユース愛媛FC U-18のカードは、FW行友翔哉(2年)の先制点を皮切りに4点を奪った愛媛が4-2で勝利した。

 今年の愛媛U-18は1、2年生がスタメンのうち8名を占める若いチームとあり、勢いに乗ったら簡単には止まらない。高い技術力を持つ下級生のプレーと共に、「下の学年の力があるのは分かっている。自分たちも技術で負けないようにしながら、3年生らしい泥臭さでやる気を出させたり、背中で見せたい」と話すFW梶原彗汰(3年)らの働きも目を見張り、北内監督が「3年生も“なにくそ!”という気持ちで頑張ってくれているので、良い形になってきている」と評する好チームになっている。

 この日も、チーム状態の良さが目を惹く展開となった。「ヴォルティスさんは回してくるチームだと分かっていたので、守備から入ろうと話していた」(梶原)ものの、序盤はDF佐藤悠安(3年)とMF高田大鳳(3年)を中心にテンポよくボールを動かす徳島ユースを捕まえきれなかった。しかし、早い時間帯に守備時のシステムを4-1-4-1から、4-4-2のダブルボランチへと変更したことで中央の守備強度がアップ。梶原を中心に繰り出す高い位置での守備も機能し、ショートカウンターから見せ場が生まれ始めた。前半21分には、相手のビルドアップを高い位置で奪った行友が単独でGKとの1対1に持ち込み、先制点をマーク。28分には、中盤でボールを奪った梶原がドリブルで左前へと前進すると、最後は角度のない位置からMF大野耕平(2年)がゴールネットを突き刺し、2-0で前半を終えた。

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徳島ヴォルティスユース vs 愛媛FC U-18

 後半も愛媛U-18の勢いは止まらない。後半11分には、MF得居大真(2年)が勢いよく右サイドを突破し、ゴール前にクロス。最後は、「サイドの選手が上手く剥がしてくれたので、自分の所に来るかなと思っていた。合わせるだけでした」と振り返るDF小野成夢(2年)がヘディングシュートを決めた。33分には自陣右でのボール奪取から素早く右前方へと繋ぐと、FW原井川昇吾(2年)が遠目から思い切りよく放ったシュートがGKのファンブルを呼び、4点目となった。

 大量得点を呼んだ攻撃だけでなく、守備も前半は危ない場面が見られたなかったが、23分には自陣PA手前でFKを献上。クロスバーに当たったMF京野優士(3年)のキックのこぼれを、FW鶴田剛生(2年)に押し込まれ、1点を返された。試合終了間際にも、ロングボールの処理がもたついた隙をFW片山寛人(3年)に突かれた。結果的には4-2でタイムアップとなったが、課題以上に良さが見える試合内容で、北内監督は「コロナで日程が変わる中でも、よく気持ちを切らさずにやれている。流れに乗れなかった序盤戦と比べて修正ができている」と選手を称えた。

愛媛FC U-18イレブン

 2年前のプレミアリーグでは、3勝1分14敗で終わり最下位となった。昨年からは、プリンス四国へと戻ったが、定期的に広島ユースとの練習試合を経験し、プレミア基準を目指してチーム作りを進めてきた。「意図的に自分たちから仕掛けていくサッカーを目指したい」と口にするのは、北内監督。まだまだ課題もあるが、着実に成長を感じさせるサッカーは披露できている。目標とするのは、プレミアへの復帰。首位・讃岐U-18との勝点差が開いているため、優勝は難しくなっているが、プレーオフへと進出できる2位は射程圏内だ。「後輩たちにとってのチャンスでもあるので、何が何でもプレミアに戻したい」と話す浅井を筆頭に、積み上げてきた成果を残り試合でも発揮できれば、目標達成も十分可能だ。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 四国
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 四国