セットプレーで得点を奪った大分トリニータU-18が嬉しいリーグ初勝利!国見は4連敗

国見 vs 大分トリニータU-18(写真=藤原裕久)

 リーグ開幕以来3試合で5得点をあげながら、11失点で3連敗と苦戦の続く国見。手堅い戦いを見せながらも、3試合で1得点と攻撃に課題を抱える1分2敗の大分トリニータU-18。勝利の欲しい両チームの対戦は一進一退の展開の中、セットプレーで得点を奪った大分が勝利をあげた。

 前夜から振り続ける雨の影響で、ピッチの所々でボールが止まるコンディションの中、連敗脱出を狙う国見は、コンパクトな形から高めのラインを設定。両サイドバックの福田皓大、小田優芽が無理に攻め上がらない守備を意識した形でゲームをスタート。対する大分は細かくボールをつないでゲームをコントロールしていくが、国見のタイトな守備に苦戦し、山本楓、佐藤丈晟の早めのクロスは弾き返され、アンカーに入った鬼木颯都の前線へのフィードも前でおさめることができない。

 試合ははそのままリスクを最小限にした守備を展開するものの、ボールを持ってからシュートまで持っていけないシーンの多い国見と、ボールを保持しながらもゴール前の精度を欠く大分という図式で0-0のまま前半を終了。

 後半、得点を意識して前への圧力を高めだした国見は、得点源のFW本川瑠空や1年生FW中山葵が積極的に仕掛けていこうとするものの、CB分島諒、GK杉野伸太朗を中心とした大分は落ち着いた守備で対応。国見が56分に得点力のある川添空良、エース北村一真を投入して攻勢を強めても、前線にボールを簡単に入れさせない守りを披露していく。

 後半に入りやや守勢に回っていた大分が反撃に出たのは66分。試合後の石橋眞和監督が「よくあそこまで(ボールを)運んだ」と評した、ペナルティエリアのすぐ外、ゴール正面という絶好の位置から、前里裕希が完璧な軌道のフリーキックを決めて大分が先制。さらに同点を狙い焦りの見える国見から、79分にも前里が追加点を奪い勝負あり。

 「雨のためピッチコンディションが良くなかったので、前半はアクシデントが出るようなプレーをできるだけ避けて、背後や、相手の嫌がるところを突いていくことを考えていたんですが、後半からは、前線にボールが入ったときは、人数をかけて攻めていくスタイルに変えました。そのあたりが結果的に良かったのかなと思います(石橋眞和監督)」という戦いを見せた大分は、嬉しいリーグ初勝利。一方の国見は、課題であった守備では前半に修正の兆しが感じられたものの、終わってみれば2失点で4連敗となってしまった。

(文・写真=藤原裕久)

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