日章学園、夏の晴れ舞台前に収穫のある一勝!

先制ゴールを決めた日章学園DF工藤珠凜(写真=森田将義)

 高円宮杯U-18サッカーリーグプリンスリーグ九州は、10日に延期となっていた第7節の九州国際大付日章学園との試合を実施。DF工藤珠凜(2年)とFW石﨑祥摩(2年)のゴールによって、日章学園が2-1で勝利した。

 パワフルな九国大付属の攻撃に手を焼きながらも、粘り強く掴んだ勝利には価値がある。原啓太監督が「インターハイを見据えて、苦しい押し込まれる展開を経験できたのは良かった」と振り返った通り、日章学園にとっては、2大会ぶりとなる夏の晴れ舞台前に収穫のある一勝となった。

 立ち上がりに見せ場を作ったのは、第2節から無敗を続ける九国大付属。「自分が決めれば、チームが乗ってくる」と話す主将のFW吉田晃盛(3年)と石松涼(3年)の2トップが力強いプレーで、日章学園のゴールに迫った。前半6分には中盤からのフィードが、PA内でこぼれると、吉田が左足でゴールを狙ったが、枠の外。41分には吉田が相手寄りのボールを力づくで奪い取り、2人かわしてシュートを放ったが、左ポストに阻まれた。「最近、連勝できていたのでみんなのメンタルが『勝てるんじゃないか』となっていた。ミーティングで謙虚になって勝ち切ろうと話したけど、自分もどこかで『勝てるだろう』、『また点が決められるだろう』という気持ちがあった」と振り返るのは、吉田。江藤謙一監督は押し気味で「立ち上がりのチャンスに決めていればという試合だった」と続ける。

日章学園イレブン(写真=森田将義)

 対する日章学園は、「向こうの特徴はフィジカルだけど、高校に入ってから身体づくりをやってきたので負けたくなかった」と話す工藤らDF陣が粘り強く対応。原監督も「序盤は相手の強さに手こずったけど、DFラインの1、2年生がタフにコンパクトに対応してくれた。押し込まれたけど、決定的なチャンスは作られなかった」守りから、素早く前線に展開。エースのFW葭岡遥来(3年)は怪我で不在だったが、「九国に対してはサイド攻撃が有効だと話していた」(FW木脇蓮苑、3年)と右のMF橋天飛磨(3年)と左のMF前田聖七(3年)が積極的に仕掛けた。

 18分には、中盤でのボール奪取から前線に展開し、木脇がドリブルからシュートを放ったが、GKが触り、CKに。34分には、右サイドからのパスを木脇がダイレクトで右を右に展開。MF藤本優希(3年)のシュートはGKに阻まれ、CKとなったが、ゴール前に上がったクロスをニアの工藤が頭で合わせ、日章学園が先制した。

 日章学園は後半に入ってからもサイドから好機を演出。後半11分には、前田のパスから途中出場の石﨑がシュート。DF当たったこぼれを橋がダイレクトで打ち返したが、枠を捉えることができない。続く17分には、相手DFの処理ミスを拾った石﨑がGKとの1対1に持ち込むと、冷静にゴールの隅に流し込み、リードを2点差とした。九国大付属も39分にロングボールから、MF辻澤賢(3年)が決めたが、反撃及ばずタイムアップ。タフな一戦を制した日章学園が今季4勝目を手にした。 

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 九州
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