エースの活躍で明秀日立が関東大会出場を決めた。

勝利した明秀日立

 5月8日、関東高校サッカー大会の茨城県予選・準決勝が行なわれ、県リーグ1部に所属する明秀日立は水戸商と対戦。序盤から相手の堅守に苦戦をしたが、FW根本琳生(3年)の2ゴールなどで勝利を挙げた。

 明秀日立は序盤からサイド攻撃を軸に展開。ボランチの中沢駿斗(3年)がボールを運び、右サイドハーフの山田翔遥(3年)らが個人技で仕掛けていく。しかし、最後の局面で精度を欠いてしまう。立ち上がりからほとんど決定機を作れず、前半20分までにシュートは僅かに2本しか放てなかった。「本大会出場が決まってホッとしました。ゲームの中身が全く良くなく、失点したくない気持ちがあったのかもしれません。手堅く試合を運ぼうとしていました」とは萬場努監督の言葉。消極的なプレーが目立ち、中盤でボールロストをする場面が増えた。

 しかし、嫌なムードをエースが一掃する。前半のアディショナルタイムだ。左サイドから山田がゴール前に浮き球のパスを出すと、根本が左足でシュート。これが決まり、前半のうちにリードを奪った。

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 1-0で迎えた後半。明秀日立は前半同様にロングボールやサイド攻撃を主体に攻撃を組み立てる。序盤はなかなかシュートに放てなかったものの、時間の経過とともにペナルティエリア内に入る回数が増加。後半11分にMFアウン・カリム(3年)が左サイドハーフに投入されると、さらに攻撃のテンポが上がる。カリムがテクニカルなドリブルで局面を打開し、フィニッシュに持ち込めるようになった。後半30分にはカリムが左サイドからクロスを入れ、根本があわやゴールというシュートを放つ。ゴールの匂いが出てくると、終了間際の36分には右サイドを突破した根本が右足を一閃。逆サイドネットに突き刺し、さらにリードを広げた。

 終了間際にはカリムがMF本橋雅人(2年)のお膳立てから3点目を奪って勝負あり。苦戦を強いられながらも明秀日立は3―0で水戸商を下し、2位以上に与えられる関東大会出場を決めた。

(文・写真=松尾祐希)

▽令和3年度関東高校サッカー大会茨城予選
令和3年度関東高校サッカー大会茨城予選