2005年度以来となる夏の日本一を目指す青森山田が好スタート
先制ゴールを決めた青森山田FW名須川真光
2005年度以来となる夏の日本一を目指す青森山田が好スタートを切った。
8月14日、令和3年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会が開幕し、福井県内の各会場で1回戦の10試合が行われた。U-18高円宮杯プレミアリーグEASTで首位を走る青森山田は長崎総科大附と対戦。悪天候の影響でキックオフ時間が9時15分から12時に変更となったなかで、青森山田は慎重な入りを見せる。
「何をしてくるか分からない。マンツーマン(の守備)やダイレクトで放り込んでくる可能性があった」と黒田剛監督が話した通り、名将・小嶺忠敏監督率いる長崎総科大附の様子を伺いながらゲームを進めていく。
シンプルにロングボールを前線に入れられ、ロングスローやセットプレーでゴール前に迫られる場面もあったが、慌てることなく対応。丸山大和(3年)、三輪椋平(3年)のCBコンビを中心に手堅く守り、相手にシュートを打たせない。
守備でリズムを作ると、攻撃陣も徐々にペースを掴んで敵陣でプレーする時間が増えていく。松木玖生(3年)と宇野禅斗(3年)が中盤の底からゲームを作ると、藤森颯太(3年)と田澤夢積(3年)の両サイドハーフが積極的に仕掛けてゴール前へ迫った。
ダメ押しゴールを決めガッツポーズのDF多久島良紀
15分にはセットプレーの流れからFW渡邊星来(3年)がバー直撃のシュートを放ち、終了間際にも松木が左足でゴールを狙う。いずれもゴールには結び付かなかったが、主導権を握って前半を終えた。
後半に入ると、青森山田はさらにギアを上げる。キックオフ直後に藤森が右サイドを単騎で突破。そのままゴール前にクロスを入れると、中央に走り込んできた松木が左足で合わせる。これは惜しくもバーを越えたが、直後の39分に高い位置でボールを奪った渡邊が左サイドで仕掛けて深い位置から折り返す。このボールにFW名須川真光(3年)が合わせ、先制点をもぎ取った。
リードを奪った後も積極的に仕掛けた青森山田。しかし、後半15分あたりから相手に押し込まれる展開となる。シュートこそ打たせなかったが、サイドから突破を許す場面が散見。ペースダウンをした状態で20分過ぎのクーリングブレイクを迎えたが、この直後の24分に宇野が流れを引き戻す。このタイミングで投入されたMF小原由敬(3年)がファーストプレーで右サイドを抜け出すと、ライナー性のクロスを入れる。これを藤森が繋ぐと、後ろから入ってきた宇野が右足で鮮やかにネットを揺らした。
リードを広げた青森山田は直後の28分にも、CKの流れからDF多久島良紀(3年)が加点。「後半は2トップ(の渡邊と名須川)がボールを収めて、青森山田らしいサッカーができた」(黒田監督)。終わってみれば、被シュート0本で3-0の快勝で、難敵を下した青森山田が2回戦進出を決めた。
(文・写真=松尾祐希)
▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)