後半間際のアディショナルタイムに追いた米子北がPK戦を制し2回戦進出!帝京は初戦敗退

PK戦を制した米子北

 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)が14日に福井県で開幕。帝京(東京2)vs米子北(鳥取)による1回戦はPK戦の末、米子北が勝利し、2回戦へと駒を進めた。

 2度のビハインドを追いかける展開を強いられ、後半間際のアディショナルタイムに追いつき、かろうじての勝利。試合後の中村真吾監督が「疲れたよ」と苦笑いしたのも、無理はない。序盤から伝統の粘り強い守備から、DF鈴木慎之介(3年)らが前方に展開し、前半5分にはMF佐野航大(3年)の左クロスから、FW片山颯人(3年)がヘディングシュート。16分には、左サイド・MF木村愛斗(3年)からのボールを受けたFW小橋川海斗(2年)が振り向きざまにシュートを打つなどしたが、全体的には「早いサッカーに持ち込みたかったけど、時間を上手く使われた」(中村監督)印象が強かった。

 帝京は縦に素早い米子北に合わせて、自陣で奪うと素早くMF藤﨑巧士(2年)らが、推進力のあるMF橋本マリーク識史(2年)へと展開。思い通りにシュートまで持ち込めなかったが、攻撃に移行した後にDFラインを押し上げないことで、米子北の攻守を間延びさせた。そのため、米子北は前線にボールが入った後に前線が孤立し、攻撃に厚みが出ない。相手のラインが上がらないため、背後を突くためにスタメン起用した俊足の小橋川も、持ち味が出せないまま時間が進んだ。そうした中、前半終了間際の35+3分にGK岸本悠小(3年)のロングキックを受けたFW斉藤慈斗(3年)がゴール前にスルーパス。走り込んだMF前野翔平(2年)が決めて帝京が先制した。

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インターハイ1回戦 帝京 vs 米子北

 後半に入ってからは、前半24分に投入したFW福田秀人(2年)をポイントに米子北を見せ場を作った。相手の間でボールを引き出しながら、前線に入れたロングボールを上手く高い位置で拾って、二次攻撃に移行。後半2分には、DF原佳太朗(3年)のロングボールが相手ゴール前にこぼれた所を拾うと、前に出たGKの隙を突いて、同点ゴールを突き刺した。

 23分には、テンポの速いパス回しから、斉藤が右サイドを突破。グラウンダーでゴール前に入ったボールを途中出場のMF福地亮介(3年)が決めて、帝京が2度目のリードを手にした。後がない米子北は27分に攻撃陣を3枚替えし、攻撃のギアを上げる。すると、35+3分にはこの交替で入ったMF牧野零央(3年)のパスから、左を抜け出したMF中井唯斗(2年)がゴール右隅に決めて米子北が追いつき、PK戦へと持ち込んだ。

 迎えたPK戦でも5人目まで両チームの全員が成功し、サドンデスへ。6人目では先行の帝京が失敗したのに対し、米子北が成功し、1-1(PK6-5)で米子北が勝利。中村監督は「これで強くなって欲しいと思っていた。昨年は成長する場がなかったけど、今年は成長する場がある。冬にも繋がるし、来年にも繋がるし、将来にも繋がる。勝っても負けても、今回で成長しようと選手には言っていたから、今日はそれが勝ちに繋がった」と口にした。

 

(文・写真=森田将義)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)