「緊張が楽しみに勝ってしまった」全国の舞台で硬さが出てしまった三重が那覇に苦戦しながらもPK戦を制し1回戦を突破!

PK戦を制し三重が1回戦を突破

 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)が福井県で開幕し、8月14日に1回戦が行われ那覇(沖縄)vs三重(三重)は前後半70分でゴールが生まれずPK戦を制した三重が那覇を下し2回戦に進出した。

 那覇は5大会ぶり6回目、三重は2大会ぶり6回目という事で両チームの選手たちにとっては初めてのインターハイ。「みんなが初めての全国大会という事で硬さがあった」(徳地俊彦監督)という三重に対し、序盤は那覇イレブンが自分たちのプレーをみせる。しかし、徐々に硬さが取れてきた三重が押し返し前半を終える。

 後半も三重がペースを握る。長身の180cmの10番FW吉良元希と179cmの13番FW井上晃雅が中央寄り、9番FW浅井勇飛が右サイドに張って攻撃を仕掛ける。特にキャプテンのFW吉良は前線で縦パスを引き出し持ち前のキープ力で違いを見せチャンスを作る。先制点が欲しい三重は45分に16番FW世古千颯を投入。相手のビルドアップに対しFW世古が前線から追いまわし更に押し込む。しかし、FW吉良がバイタルエリアからシュートを決めるも直前のプレーがオフサイド。アディショナルタイムにはFW吉良の丁寧な落としを受けた8番MF齊藤琉矢がミドルシュートを放つもGK正面でゴールならず。

 対する那覇は10番MF仲里凌司が中盤で献身的に走り回り、1番GK上地悠大郎が広範囲をカバーし決定機を作らせず無失点で凌ぐ。結局両チーム得点を奪えないまま前後半が終了し、勝負はPK戦へ突入する。

 PK戦では那覇の1本目を三重の1番GK田端亮雅が見事にストップ。三重はキッカーがGKの動きを落ち着いて見ながらシュートを決め5人全員が成功。三重がPK戦を5-4で制し1回戦を突破した。

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インターハイ1回戦 那覇 vs 三重

 勝利した三重の徳地俊彦監督は「思い切ってやろうと全体で合わせてはいたんですけど、中々自分たちの思うような展開に出来ずに逆に相手が早くゲームに入る事が出来ていたので、それに対して後ろ向きな時間帯、流れがあったのでそこが凄く課題として出ました。みんなで来た初めての全国大会なのでPKという形ですが1つ越えられたので、しっかりこの課題を次に活かして2戦目は自分たちの流れを作って勝ちたいと思います」と試合を振り返った。

 「朝バタつかずにゆっくり準備できたので、時間にゆとりがあったことでストレスなく試合に入ることが出来ました」(徳地俊彦監督)と大雨の影響で試合時間が9:15キックオフから12:00に変わったことに対しては上手く対応できたようだが、キャプテンのFW吉良元希は「自分自身もチームメイトも初めての全国大会で楽しむためにここまで練習してきて、今日初戦だったんですけど、自分は緊張しなかったんですが、(チームとしては)試合の入りから緊張が楽しみに勝ってしまったことで自分たちのサッカーのスタイルを出せなかった」と試合の入り方を反省した。

 しかしFW吉良は個人のプレーとしては力みも見えず「ボールキープと収めるところは自分の得意な形」自分の力を発揮した。「ひとつ点を取ってチームを勝たせるのが自分の役目だと思っているので今日はゴール出来なかったので、もっとどん欲にゴールを狙い続けてチームを勝たせたい。どんな展開でもチームを勝たせるゴールを決めます」と次戦に向けて意気込みを語ったキャプテンのゴールに期待したい。

(文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)