日章学園、鹿島学園に1点差まで詰め寄られるも何とか逃げ切り初戦突破

雨中の熱戦(写真=森田将義)

 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)が14日に福井県で開幕。鹿島学園(茨城)と日章学園(宮崎)による1回戦はFW葭岡遥来(3年)の先制点を皮切りに3点を奪った日章学園が勝利した。

 雨脚が強まった第2試合は序盤から一進一退の展開が続いた。先に見せ場を作ったのは、鹿島学園。「縦に速い攻撃が続いていたので、自分がおさめてタメを作ろうと思っていた」と話すFW林結人(2年)が技術力を活かしたボール―キープでタメを作り、そこから後方の選手が飛び出していく。前半16分には、MF櫻井稜(2年)のタメから、DF高井将太(3年)が右サイドを鋭く攻め込むも、DF工藤珠凜(2年)に上手く対応され、シュートは打てず。20分には林のキープから、左サイドのMF鈴木仁也(3年)へと展開。そこから、ゴール前に入れてMF上野光永(3年)がゴールを狙ったが、DFに阻まれた。

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2ゴールを挙げた日章学園MF葭岡遥来(写真=森田将義)

 対する日章学園は、スリッピーになったグラウンドをに手を焼くことなく、要所で「グラウンダーのボールで技術と判断に特化してやっている」(原啓太監督)という新生・日章学園のらしさを出していく。その中で鍵となったのは、FW木脇蓮苑(3年)と葭岡の2トップ。付属中学からコンビを組み続ける2人が見せる息の合った連携を中心にチャンスを作っていく。27分にはMF金川羅彌(2年)の右CKから、MF前田聖七(3年)がヘディングシュート。ゴール前にこぼれた所を葭岡が押し込んで先制に成功。後半19分には、葭岡のパスから木脇がシュートを放ち、GKが弾いたところを葭岡が押し込んだ。

 インターハイ後に怪我をしたため、復帰は今大会の直前。決してベストな状態とは言えないが、「走ればチームのためになる」と懸命にプレーした葭岡の活躍によってリードを2点差まで広げると、23分には左サイドでスローインからのリターンを受けた前田が3点目を決めた。

 残り5分を切ってからは、「途中までは点の取り方や時間帯が良かったけど、最後は厳しかったですね。紙一重というか。鹿島学園さんのパワフルな攻撃に後手後手になった」(原監督)。29分にはFW森龍ノ介(1年)、31分にはFW西川竜瑛(3年)に決められ、1点差まで詰め寄られたが、何とか逃げ切り、日章学園が勝利。試合後の原監督は「子どもたちは待ちに待ったという感じだったので、真剣勝負の場を経験することが子どもたちの成長に繋がるので1試合でも多く経験したい」とコメント。葭岡は「日章の最高成績はベスト8。監督が代わって新たな日章学園を印象付けるためにベスト4を目指したい。次の尚志戦ではもっと前線から走ってチームのためにプレーしたい」と意気込んだ。

(文・写真=森田将義)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)