強度と技術の違いで前橋育英が専大北上を圧倒!大量7得点で初戦を突破し2回戦は京都府代表の東山と対戦へ

FW守屋練太郎のゴールで喜ぶ前橋育英イレブン

 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)が福井県で開幕し、8月14日に1回戦が行われ専大北上(岩手)vs前橋育英(群馬)は大量得点をあげた前橋育英が7-1で専大北上を下し2回戦に進出した。

 3分、前橋育英は右CKから5番DF柳生将太がヘディングシュートを決めて先制。しかし6分、専大北上も9番FW佐藤裕翔が右足でゴールを決めてすぐに同点に追い付く。立ち上がりから打ち合いの様相を呈した一戦だったが「技術がある中で寄せと球際も強くて全然通用しなかった」(専大北上キャプテン10番FW吉武皇雅)試合はそこから前橋育英のペースへ。

 すると13分、前橋育英は左サイドでボールを受けた10番MF笠柳翼がDFと間合いを測りながらドリブルで中にカットイン。そこから右足を振り抜くとシュートがゴール右上に決まり2-1と勝ち越しに成功する。前橋育英はMF笠柳が左サイド中寄りを主戦場にその後もチャンスを量産。縦の突破とと中へのカットインを織り交ぜ相手DF陣を混乱させた。

 押し気味にゲームを進める前橋育英は22分、前線で浮き球を受けた9番FW守屋練太郎が右上で意表を突いてダイレクトでミドルシュートを放つ。これがゴール右に決まって3-1。前橋育英が2点リードで前半を折り返す。

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インターハイ1回戦 専大北上 vs 前橋育英

 後半に入り雨が強まる中、前橋育英は中盤で余裕をもってボールを支配しゴールを積み重ねる。39分、FW守屋のシュートをGKが弾いたところを11番MF渡辺亮平が詰めて4点目。48分、後半から出場の15番MF小池直矢が右サイドから切り返して左足でクロスボールを送ると、これにファーサイドのMF笠柳が左足で難なく合わせ5点目。51分に小池が6点目を決めると、72分、右CKからDF柳生が打点の高いヘディングシュートを決めて7点目。先制点を挙げたDF柳生が最後も締めくくった前橋育英が7-1で専大北上を下した。

 試合後、専大北上の小原昭弘監督は「力の違いを実感した試合でした。コロナの影響もあって県外で試合をする機会がほとんどない中で、強度の高いゲームが出来ず調整も難しかった。(前橋育英は)球際、判断、技術、全ての面で違いました。(前半追い付いた場面など)強度高く出来る部分もあったんですが、それを70分通すというところではまだ物足りないのかなと思います」と試合を振り返り、「全国で名だたる前橋育英さんとやらせてもらって、全国の強豪のスタンダードがわかったのでそういうところに追い付けるようにこれから頑張っていかなきゃなと思っています」と選手権に向けて意気込みを語った。

 全国の壁は高かった。キャプテンのFW吉武も「全国は全然違った。守備の面でも(相手に)やりたいようにやられてしまった。攻撃も(相手の)寄せが速すぎて自分たちのプレーが出来ずに終わってしまった」悔しさを口にした。しかし敗戦の中でもFW吉武は2トップを組むFW佐藤と前線で奮闘した。「(FW佐藤)裕翔とは2年生からずっと試合でやっているのでそこら辺の関係は良くなっている」と攻撃の部分では手応えもあったが、「もっとFWのところでボールを収めて味方が上がる時間を作らないといけないので、裕翔と一緒にそこを高めていきたいと思います」と課題も見つかった。「県内チームとはこんな球際とかスピードが経験できないので、選手権の前に良い経験が出来た。これを基準にして練習していかないと通用しないと思います」と、この敗戦を選手権への糧にしようとキャプテンは前を向いた。

 一方勝利した前橋育英のキャプテン4番DF桑子流空は「初戦が本当に突破できたのは安心できる部分でもあるし、失点をしてしまったので悪い部分もあった。一日空くので東山戦に向けて改善して、チームとしても気合を入れ直していきたいと思います」と勝って兜の緒を締めた。先月の和倉ユース大会では決勝トーナメント1回戦で履正社(大阪)相手に2-3で敗戦。「あの日負けてから悔しかったので、その想いを練習の一つ一つにぶつけてきたので、得点も7点取れてそこは良かったと思います」と悔しさを糧にグレードアップした前橋育英。次戦の相手は京都府代表の東山だ。「ビデオも見たんですけどいいチームですし、近畿大会も制している」と山田耕介監督も警戒する相手に持ち前の攻撃サッカーを展開できるか。次戦も前橋育英の攻撃力に注目だ。

(文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)