プレミア勢の流通経済大柏、5-1で佐賀東に快勝

流通経済大柏が快勝(写真=森田将義)

 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)は15日1回戦2日目を実施。三国運動公園陸上競技場で行われた流通経済大柏(千葉)と佐賀東(佐賀)の一戦は、FW清水蒼太朗(3年)の先制点を皮切りに5点を奪った流経柏が勝利した。

 試合開始と共に流経柏がプレミアリーグ勢として力の差を見せつけた。テンポよくボールを動かしサイドを起点に相手ゴールを狙いに行く中、佐賀東にとって脅威となったのは前線からのプレッシング。相手エリアでボールを失ったら瞬時に守備へと切り替えた。「最初の4分の1で失点したらダメだという意識が強すぎて、守備に人が集まりすぎた」(蒲原晶昭監督)という佐賀東の対応も相まって、序盤から相手エリアで試合を進めていく。

 前半17分に生まれた先制点も流経柏らしいアグレッシブな守備からだった。自陣からのビルドアップを狙った相手DFのボールを右SBのDF大川佳風(2年)が高い位置でカット。素早くゴール前に入れたボールを清水がボレーで合わせて、均衡を崩した。26分には中央を仕掛けたMF渋谷諒太(3年)のパスから、MF西岡亮哉(3年)がゴールを狙うなど流経大柏がチャンスを作ったが、追加点は奪えず前半を終えた。

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先制ゴールを決めた流通経済大柏FW清水蒼太朗(写真=森田将義)

 後半の立ち上がりは、プロ注目のMF吉田陣平(3年)が「相手がプレミアで戦っているチームに対し、自分たちは県リーグ。強度の差は結構出ていた」と振り返る佐賀東が反撃に出た。守備を意識しすぎて前に出る機会が少なかった吉田もドリブルで前進する機会が増加。後半5分には、吉田が相手エリアの右中間をドリブルで突破。後方に下げたパスから、MF森田悠斗(3年)がシュートを放ったが、GKに阻まれた。

 相手に自陣まで運ばれる機会が増えたものの、流経大柏にとっては好都合。守備から素早く攻撃に切り替え、チャンスを作るきっかけとなり、11分には右CKから川畑がヘディングシュートを決めて2点差とした。このゴールは、榎本監督が「後半の入り方だけ注意していたけど、飲まれかけた。そこで、良い形でセットプレーから点が獲れたのは賢い戦い方だった」と話したのに対し、蒲原監督は「2点目のCKからの失点が流経の強さであり、うちの弱さだった」と振り返る。

 14分には右サイドからFW石川裕雅(3年)が繰り出した見事なサイドチェンジが、PA内の川畑へ。「2点目のコントロールはなかなかできない」と榎本監督が下を巻いたトラップから、冷静にゴールネットを揺らして3点差とした。15分と16分には石川が連続ゴールを叩き込み、流経大柏は一気に5点差まで引き離した。

 思い通りに見せ場が作れなかった佐賀東も、32分には吉田のスルーパスから森田悠が決めて意地を見せる格好に。プレミアリーグ勢と県リーグ勢との力の差を見せつけられる格好となったが、蒲原監督が「本当に日本一を目指すチームとの組み合わせが決まってから、基準は流経柏を基準にトレーニングをやってきた。実際に本番をやってみたら、“もうちょっと圧あったね”と思った選手がいたと思う」と話した通り、得た経験は必ず冬の選手権に繋がるはずだ。

(文・写真=森田将義)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)