2年生ストライカーのFW小林俊瑛が2発!大津が都市大塩尻に快勝
大津のFW小林俊瑛
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)は15日1回戦2日目を実施。三国運動公園陸上競技場で行われた東京都市大塩尻(長野)と大津(熊本)の一戦は、FW小林俊瑛(2年)の2得点などで大津が快勝した。
初の日本一に期待がかかる大津だが、序盤は苦しんだ印象が強かった。「こっちに来てから2試合やったけど、チームとして調子が上がっているのでこのまま行けるかなと思っていた。でも、この代は全国大会が初めてなので硬さがあった」と振り返るのは、主将のMF森田大智(3年)。「相手は格上なので、自分が持っている物を全て出そうよという所から入った」(小松憲太監督)という都市大塩尻の3バックに苦しみも苦しんだ。
スピードに長けたDF日髙華杜(3年)が右サイドからチャンスを伺ったが、攻撃のキーとなる森田が警戒されたいたため、肝心の中央を崩す縦パスは都市大塩尻の素早くスライドもあって思い通りに通らない。それでも前半21分には連携が右サイドを抜け出した日髙がゴール前にクロスを入れると、DFに当たってCKに。ゴール前に入れたクロスを小林が頭で合わせて試合を動かした。続く26分には右サイドからのロングスローがゴール前にこぼれ、FW一村聖連(3年)が強烈なシュートを放ったが、GK石見凜汰朗(3年)のセーブに阻まれた。
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インターハイ1回戦 東京都市大塩尻 vs 大津
大津はボールを握りながら、2点目が奪えずに前半を終えると、エンドが変わった後半は強風に苦しんだ。追い風に乗った都市大塩尻は、主将のDF北野大和(3年)が前向きでボールを奪う場面が増加。奪ってからは、「ここ一か月くらいで物凄く伸びてきた子」(小松監督)であるMF髙橋透生(3年)が右サイドを思い切りよく仕掛けて見せ場を作っていく。後半5分には、右サイドから上げた髙橋のクロスは、中央を合わせなかったが、ファーで拾ったFW中嶋総太郎(3年)が中へと折り返し。再び大津DFに阻まれたが、こぼれ球を拾ったFW髙木彪雅(3年)が落ち着いてゴールネットを揺らした。
追い付かれた大津だが、選手に焦りの色は見られない。その理由について、森田はこう口にする。「県大会も先制されて後半の飲水まで0-1で負けている試合があった。和倉も含め今までそういう経験をしてきたので特に焦りはなかった。今やっていることをやり続ければいつか獲れると思っていた」。失点以降も焦れずにチャンスを狙い続けると、15分には一村のパスから右サイドを抜け出した日髙が再リードを奪うゴールをマーク。25分には、PA左を切り返しでかわしたDF岩本昌大郎(3年)が中へパス。一村のシュートはバーに嫌われたが、こぼれ球を小林がボレーで叩き込み、3-1でタイムアップ。苦しみながらも、ブレークが期待される2年生ストライカーの小林が2ゴール。山城朋大監督は、「今日は小林様様でした」と称えた。
2回戦で当たる流経柏は、同じく優勝候補一角として挙げられる難敵。「プレミア対決で勝てば良い所まで行けると思う。明日やれば1日休みなので、出せる力を全て出したい」。森田の言葉通り、全身全霊を注ぎ込み、タイトルにまた一歩前進するつもりだ。
(文・写真=森田将義)
▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)