夏に弱いなんて言わせない――。矢板中央が大分に4-1で勝利し2回戦進出

矢板中央イレブン

 夏に弱いなんて言わせない――。そう言わんばかりのゴールラッシュで初戦を突破した。

 8月15日、全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会の2日目が行われ、1回戦に挑んだ矢板中央は大分と対戦。堅守の矢板中央に対し、ショートパスを主体の攻撃的サッカーを嗜好する大分がどう挑むかに注目が集まったが、予想外の大差で決着が付いた。

 矢板中央は序盤からフィジカルの強さを全面に押し出し、ロングボールとセットプレーで相手ゴールに迫る。開始1分に左SB小出勇翔(3年)のロングスローから決定機を作ると、5分にはFW星景虎(3年)がドリブルで持ち込んでゴールを狙った。勢いに乗る矢板中央はさらに猛攻を仕掛け、12分には星が左足でシュートを放つ。守ってもGK藤井陽登(3年)を中心に身体を張った守備で相手に決定機を作らせない。

 優勢に進めると、18分に小出のロングスローからチャンスを迎える。ゴール前で混戦となったが、MF黒澤光成(3年)がこぼれ球を押し込んで先制点を奪った。

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インターハイ1回戦 矢板中央 vs 大分

 1-0で迎えた後半も矢板中央が主導権を握る。後半2分にMF大畑凜生(3年)が右サイドからクロスを入れると、ファーサイドに走り込んだMF田邉海斗(2年)が頭で合わせて加点した。以降も安定した試合運びを見せ、集中力を切らさない。素早く相手に寄せて中盤でボールを奪い切り、一直線にゴールを目指すショートカウンターで相手を圧倒。15分には小出のロングスローを田邉がニアですらし、MF藤野和哉(3年)がヘディングでネットを揺らす。61分にも小出のロングスローから三度チャンスを作る。こぼれ球を拾った藤野がゴール前に入れると、大畑が頭で決めて試合を決定付けた。

 67分に大分のFW佐藤翼(2年)に1点を返されたものの、終わってみれば4-1の快勝。「2年前に選手権で対戦した経験があり、ボールポゼッションをしてくる印象があった。そこの対応は2年前を参考にうまく対応できたと思う。中盤でボールを奪い切って、ショートカウンターの形がうまくいきましたね」(高橋健二監督)。得意のセットプレーからゴールを重ね、矢板中央が好スタートを切った。

 夏のインターハイにおける最高成績は2010年度と14年度のベスト16。冬の高校サッカー選手権では直近4大会でベスト4・3回とベスト8・1回を誇る強豪校だが、夏の全国舞台はベスト4以上に勝ち上がった経験がない。16強の壁を越え、同校初の日本一を果たせるか。伝統の堅守速攻とセットプレーで矢板中央が夏の大舞台を駆け上がる。

(文・写真=松尾祐希)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)