尚志、MF松尾春希のゴールを皮切りに5-0快勝!11大会連続で全国へ

U-20代表候補のCBチェイス・アンリ

 6月6日、福島県のインターハイ予選決勝が行われ、2018年度に高校サッカー選手権で4強入りを果たした尚志帝京安積と対戦。序盤は決定機を生かせず得点を奪えなかったものの、前半24分にMF松尾春希(3年)がPKで先制点を奪う。このゴールを皮切りに得点を積み重ね、終わってみれば5-0の快勝で11大会連続・13回目のインターハイ出場を決めた。

 今大会は2度の延長戦を制するなど、思うような試合ができていなかった尚志。しかし、この日は序盤からテンポの良いパスワークで相手を翻弄し、決定機を作っていく。8分には左MF鈴木彪馬(3年)のクロスからFW齋藤幹太(2年)がシュート。惜しくもゴールを奪えなかったが、22分にも齋藤が左足でペナルティエリアの外から得点を狙うなど積極的にシュートを放っていった。そして、迎えた24分。松尾がゴール前で仕掛けると、相手DFに倒されてPKを得る。これを自ら決めて、先制点を奪った。

 これで固さが取れた尚志はボランチの松尾を軸に攻撃を組み立て、両サイドハーフの積極的に仕掛けていく。34分には右MF黒瀬舜(3年)の左クロスにFW村上力己(3年)が合わせて2点差とした。守ってもU-20代表候補のCBチェイス・アンリ(3年)を軸に最終ラインが奮起。相手の攻撃を跳ね返し、得点を与えなかった。

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尚志イレブン

 2-0で迎えた後半も攻撃の手を緩めない。8分には村上のお膳立てから齋藤が加点。直後の9分にも鈴木の左クロスに齋藤が合わせ、さらに点差を広げる。

 以降も安定した試合運びを見せ、相手に付け入る隙を与えなかった尚志。終了間際の31分にはFW仲野夢斗(3年)のアシストからFW小池悠斗(3年)が決めて、ゴールラッシュを締め括った。

 試合後、仲村浩二監督はホッとした表情を見せながら、出場権を手にしたことを素直に喜んだ。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により、インターハイの全国大会が中止となった。出る機会を失った3年生たちの想いを目の当たりにしてきた仲村監督は、「試合前に中止になって大会に出られなかった去年の3年生の想いを背負って、戦おうと話した」と言う。

 そうした想いを背負い、選手たちは決勝の舞台でハイパフォーマンスを披露。特に課題だった守備陣は、今予選で初めて無失点で終えて成長の跡を示した。彼らのプレーぶりに指揮官も「インターハイは70分ゲームなので、失点してしまうと試合が難しくなる。逆に言えば、0で行けば負けない。(今予選は失点が多かったけど)今日は攻撃がうまくいったので、守備もスムーズにできた」と話し、選手たちに賛辞を送った。

 8月14日に開幕するインターハイの本大会。予選を通じて逞しさを増した選手たちが、どのようなプレーを見せるのか。同校史上初の日本一を掴むべく、これから再開するプリンスリーグ東北でさらなる成長を目指す。

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福島予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福島予選