ライバル対決を制し、前橋育英が4大会連続17回目のインターハイ出場

全国行きを決めた前橋育英イレブン

 ライバル対決を制し、前橋育英が4大会連続17回目のインターハイ出場を決めた。

 6月19日、インターハイの群馬県予選決勝が行われ、前橋育英桐生第一と対戦。序盤から互いに球際で激しい攻防を繰り広げる中で、前橋育英は右MF笠柳翼(3年)を軸に攻撃を展開。2トップの守屋練太郎(3年)、渡邊亮平(3年)と上手く絡みながらチャンスを作り、左サイドハーフの小池直矢(2年)もスピードを生かした仕掛けでゴール前に侵入した。一方の守備陣は相手の出方を見つつ、臨機応変に対応。桐生一のエース・MF寶船月斗が左サイドから右サイドにポジションを移せば、対面の右SB岡本一真(3年)が左SB岩立翔汰(3年)と入れ替わって対応。相手のキーマンに対しても封じる策も功を奏し、安定した守りで相手に得点を許さない。

 後半に入っても一進一退の攻防が続く。前橋育英はサイドを崩されてピンチを招く場面もあったが、最後のところでキャプテンのCB・桑子流空(3年)を中心に身体を張った守りで失点を回避。守備でリズムを作っていくと、攻撃も時間の経過とともにゴール前で決定的を作る回数が増えた。だが、この日はゴールがなかなか奪えない。後半11分にあった決定機も笠柳のシュートが防がれ、こぼれ球に反応した岡本、守屋が立て続けにゴールを狙う。しかし、身体を投げ出してきた相手の守備に阻まれて、またしても得点を決められなかった。

ゴール前の競り合い

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 試合は延長戦に突入。がっぷり四つの展開となるが、延長前半終了間際に前橋育英に追い風が吹く。延長前半5分に投入された桐生一のDF石原翼(2年)が体調不良でプレー続行が不可能となり、すでに交代枠を使い切っていた関係で数的有利の状況が生まれたのだ。

 延長後半に入ると、攻撃に人数を割き、サイドアタックから何度も決定的なチャンスを作り出す。5分には渡邊が右サイドから仕掛け、左足でシュート。終了間際にもMF根津元耀(2年)が左サイドを深く抉って折り返す。しかし、いずれもゴールに結び付かず、勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 迎えたPK戦。ここでヒーローになったのがGK渡部堅蔵(3年)だ。止めれば勝利となる4本目で、完璧なシュートストップを見せてチームに勝利を呼び込んだ。

 激闘を制した前橋育英は4大会連続のインターハイ出場となる。今年のチームは選手層が厚く、誰がピッチに立っても遜色ないレベルを有している。今予選は怪我で徳永涼(2年)や小池直矢(2年)が万全ではなかったものの、Bチームで挑んだ関東大会で結果を残したMF若林大翔(3年)や関東大会予選で評価を高めた高足善(2年)が台頭。今予選を通じて、さらに経験を積んで自信を深めたのは間違いない。

 「全国大会に出られて、真剣勝負ができるのは有り難い。去年は大会中止だったので、本当に開催していただけるだけで嬉しい」とは山田耕介監督の言葉。右肩上がりで成長を続ける上州の常勝軍団が2009年度以来の優勝を目指し、福井の地に乗り込む。

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)群馬予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)群馬予選