町田内定GKバーンズ・アントンがゴールにシールド! 大成が関東一を下しベスト8に進出
獅子奮迅の活躍を見せたGKバーンズ・アントン(写真=矢島公彦)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選2次トーナメント2回戦が30日に行われ、大成と関東一の大一番はPK戦の末に大成が勝利し、ベスト8入りを決めた。
1試合を通してゲームプラン通りだったと思います」と豊島裕介監督は試合を振り返る。「うまい相手には時間とスペースを与えない」ことをテーマに大成は立ち上がりから積極的にプレスをかけて相手にビルドアップの隙を与えず。これに対し関東一は縦に蹴る展開が増えるなど、なかなかいつものポゼッションスタイルを見せることが出来ない。
後半は左サイドのMF中村浩太(2年)やFW原輝斗(3年)を起点に大成が押し返す時間が増えた。その中でアディショナルには縦パスから中村がスピードに乗ってクロスを送り、これにFW田中ハーディー啓秀(3年)が勢いよくダイビングヘッド。これは残念ながら枠を捉えることが出来なかったが、狙いとしていた形からゴールに迫る場面も見せた。
その後試合は延長戦に入り、100分を超えても決着が付かずPK戦に突入。2人が失敗した関東一に対し、大成はキッカー4人が全員決めて勝利を掴み取った。「経験値では絶対に敵わないけれども、うちが積み上げてきたものには自信を持ち始めていた」と豊島監督はそれを完遂した選手たちを称えていた。
この試合、最後尾で獅子奮迅の活躍を見せたのが町田ゼルビア内定GKバーンズ・アントン(3年)。前半15分に相手の決定機をセーブすると、34分にはセットプレーからの攻撃を身体を張ってブロック。後半も1対1をことごとく防いだ。延長前半11分、関東一はFW坂井航太が抜け出したが、ここもバーンズが立ち塞がった。ゴールを阻止すると感情を溢れさせるように激しく咆哮。「やっぱりすごく感情が入っちゃいましたね。鳥肌が立ちました」。
大成 vs 関東一(写真=矢島公彦)
「今日は勝つなと。絶対的な自信がありました」というPK戦では相手の2本目を一度逆に重心を入れて右に飛んでセーブ。勝負をたぐり寄せた守護神に指揮官も「何度かピンチがあった中で今日はバーンズがゴールにシールドを張ってくれた」と賛辞を惜しまなかった。
バーンズは2年前の同大会準決勝の大一番で公式戦デビュー。大成として初の全国大会切符の獲得に貢献した。「やっぱり自分がデビューした準決勝の舞台までは行って、また同じように勝てればいいと思います」。この2年間で町田ゼルビア内定や先日は年代別日本代表にも選ばれるなど、自らの状況を変化させていったキーパーは「インハイと選手権のどちらも取って、手土産を持ってゼルビアに行きたいと思います」と意気込みを語った。
(文=石黒登 写真=矢島公彦)
▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選