流通経済大柏が専大松戸に3発快勝で全国へ王手!

流通経済大柏vs 専大松戸

 6月19日、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選の準決勝が行われ、流通経済大柏が、準々決勝で八千代を下し勝ち上がってきた専大松戸と対戦し、3-0で勝利した。これで流通経済大柏は決勝に進出し、6月20日に全国を賭けて暁星国際と対戦する。

 流通経済大柏は幸先よく前半に先制点を手にするとその後も試合を支配し、後半相手に流れが行きそうな場面で投入された選手が追加点。流れを引き戻したところで終盤にダメ押しとなる3点目。「強かったです」と専大松戸の野村太祐監督が流通経済大柏を称したように、プレーの強度やセカンドボールへの寄せの速さ、選手層の厚さ、そして流れを読む力、その全てがユース年代最強リーグであるプレミアリーグを戦うチームのそれだった。

 雨が強く降る中始まった試合は、流通経済大柏が押し気味に進め、9番FW石川裕雅が再三左サイドを突破しチャンスを作る。すると18分、24番MFレオニ楓真が俊足を活かし右サイドを縦に突破。クロスは一度DFに止められるも、こぼれ球を拾い深い位置から中に丁寧に浮き球を送ると、11番MF小林恭太がヘディングで競り勝ちゴール右下にシュートを決める。

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 先制した流通経済大柏がその後もFW石川中心に攻め続けるが、専大松戸もDF陣が我慢強く対応する。我慢を続けた専大松戸だったが、守備に追われる中でもボールを持てば人数を掛けて攻める姿勢をみせる。そして前半終盤に流れを掴み始めると、11番FW寺島サフィールが右サイドを抜け出しチャンスを作るも、シュートはDFのブロックに合い前半が終了。流通経済大柏に追加点を許さず前半を終えた専大松戸イレブンからは、ハーフタイム中「全然いけるぞ」の声も出る程の手応えを持っている様子が伺えた。

 後半に入り専大松戸が反撃に出る。17番FM塚越幹太と10番MF内田龍馬が中盤でボールを回せるようになり、積極的にスルーパスを前線に送る。これにより専大松戸がペースを握り始めていたが、63分の流通経済大柏の2枚替えで状況が一変する。ここで投入された7番FW川畑優翔がDFの背後に飛び出しながら起点になると、18番MF松本洋汰は余裕をもってボールをコントロールしながら周りを使う。これにより一気にペースが流通経済大柏に傾く。

 すると68分、右サイドのFW川畑が中央に斜めのスルーパスを出すと、これで抜け出したMF松本が飛び出してきたGKとの一対一を制しゴール。流通経済大柏に貴重な追加点が入る。

センス溢れるプレーをみせゴールも決めた流通経済大柏のMF松本洋汰

 これで余裕をもって試合を進めた流通経済大柏が、更にダメ押しの3点目を決める。74分、左CKを獲得すると、この試合何度もみせてきたように、ここでも中の選手たちがファーサイドに固まる。すると10番MF渋谷諒太が寄ってきたMF松本にショートパス。リターンをもらったMF渋谷が角度を変えて中にボールを送ると、ファーで競り勝ったFW石川の折り返しをフリーになっていたFW川畑が押し込みゴールネットを揺らす。状況をみて機転を利かせたMF渋谷とMF松本の見事なショートコーナーが決まり、3-0で流通経済大柏が勝利した。

 「いつもはスタートから出てるんですけど、今日はゲームを観させて途中から入れました」(流通経済大柏・榎本雅大監督)と後半途中で投入されたFW川畑とMF松本。短い時間で試合を決めてしまうクオリティーは流石だった。結果、2日連続で行われる決勝戦に向けても2人を温存出来た形だ。決勝戦の為に試合後ピッチの状態を入念に確認した榎本監督は「明日勝たないとここまでやってきた事の意味がない。『全国に行く、全国で勝つ』を目標にしているので、チーム全力で千葉県の代表を取りにいきたいと思っています。選手も気合が入ってると思うので頑張ります」と決勝に向けて意気込みを語った。

 対して、残念ながら準決勝で敗退となってしまった専大松戸だが、野村太祐監督が「僕らは柔らかい方針と創造性やテクニックを大事にしている。そのスタイルがあるのでそれは変えなくても大丈夫だなと思えるゲームでした」というように、強豪・流通経済大柏相手にも選手たちは自分たちのスタイルを崩さず伸び伸びとプレーしていた。インターハイ予選はここで終わってしまったが、「選手は頑張ってくれたし、このスタイルでレベルを上げていきたい」今後の専大松戸のサッカーに期待したい。

 (文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選