「自分たちの力を信じられるようになってきた」清水東がプリンス勢を再撃破!常葉大橘を下し全国へあと一勝!

決勝ゴールを決めた清水東FW中山大耀

 5月30日、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選の準決勝が行われ、4度のインターハイ優勝、1度の選手権優勝を誇る名門・清水東と、現在高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 東海に参戦している常葉橘が対戦した。

 清水東はGK1服部孝太郎(3年)、DF2中澤翼(3年)、DF3黒江海志(3年)、DF4細川紳(3年)、DF5中村洸太(3年)、DF22宮野陽貴(1年)、MF8村井稜(3年)、MF10佐野健友(3年)、MF12木内琢満(2年)、FW9望月優太(3年)、FW11中山大耀(2年)というスターティングメンバー。対する常葉橘はGK17橋本穂高(2年)、DF2小林愛翔(3年)、DF3上村龍太郎(3年)、DF5深谷光太郎(3年)、DF15大田悠功(2年)、MF6宮本陽生(3年)、MF9吉原健太郎(3年)、MF10齋藤遥太(2年)、MF11杉本将太郎(3年)、FW7豊泉優太(3年)、FW8高橋快(3年)がスターティングメンバーに名を連ねた。

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  試合は立ち上がりから静かな展開を見せるものの、徐々に県Bリーグ所属の清水東が、プリンスリーグ東海に参戦中の常葉橘に対して動きの良さを見せつける。前半5分、MF村井が右サイドからの攻撃を見せると、直後の前半6分には、CKからMF木内がグラウンダーのパスを送り、チャンスを作り出そうとするも、常葉橘にクリアされる。

 その後も清水東はDF中澤やDF宮野、MF佐野らを中心としたサイドからの攻撃で常葉橘のゴールに迫るものの、得点には至らない。

 一方の常葉橘も、清水東のプレッシャーを受け、中盤でのボールロストやパスミスが多く、なかなかチャンスを作り出すことができない。

 このままスコアレスでの折り返しが見えはじめた前半37分、清水東はMF佐野からの絶妙なパスを受けたFW望月がスライディングしながら足を伸ばすと、ボールはネットを揺らし、清水東が先制する。

清水東 vs 常葉橘

 早い時間帯に追い付きたい常葉橘は、後半に入ると押し込む時間帯が続く。清水東・渡邊勝己監督が「後半は守備のことを意識し過ぎてしまって前に出られなかった。いつ点を取られてしまうのかなと考えていた」と話した通り、常葉橘は1点を守りに入った清水東の意識を見逃さない。

 常葉橘は後半13分にCKからFW高橋からのクロスにDF深谷がヘッドで合わせるも、これは清水東のGK服部にキャッチされる。さらに後半18分、MF吉原からのクロスに反応したMF杉本がヘディングで押し込むものの、ここも服部がパンチングで好セーブを見せ、押し込みながらも得点を奪うことができない。

 試合はこのまま清水東が逃げ切るかと思われた後半36分、常葉橘はCKのチャンスを得ると、FW高橋からのクロスから生まれた混戦の中、DF大田が気迫のヘディングシュートを放ち終盤で同点に追い付く。流れは常葉橘に傾くと思いきや、清水東・渡邊監督の「2試合連続で劇的に勝ち上がってきたチーム。自分の中では、なんとなくですが“負けないだろうな”と思っていた」という言葉通り、後半アディショナルタイムに清水東が試合を動かす。

 最後まで勝負を諦めない清水東は、MF佐野が左サイドからクロスを送ると、途中交代で入ったFW15野村光(3年)がシュート。そのこぼれ球に反応したFW中山が右足を振り抜き、劇的な勝利を呼び寄せるゴールを奪った。

 チームを率いる渡邊監督は「このチームの選手たちは真面目。よく言えば謙虚だけど、悪く言うと過小評価しがちなところがあった。でもようやく自分たちの力を信じられるようになってきた」とコメント。さらに決勝に向けて「思い切りぶつかって勝ちたいと思います」と話す。

 29年ぶりの全国大会出場まであと1勝。清水東が“ねばってはしって”全国切符を取りに行く。

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選