新人戦優勝の大津が4得点で初4強の慶誠を下し、決勝進出
2ゴールを決めた大津MF川口敦史(写真=井芹貴志)
「令和3年度県熊本県高等学校総合体育大会」は1日、熊本市中央区の水前寺陸上競技場で準決勝2試合を実施。第1試合では新人戦を制した大津が、初めてベスト4に進出した慶誠と対戦し、4得点を挙げて決勝進出を決めた。
4回戦の東海大熊本星翔との試合で延長を戦い、準々決勝の熊本工戦では先制を許しての逆転と、苦しみながらも準決勝まで勝ち進んできた大津は、右サイドバックに岩本昌太郎を、またケガのため今大会出場がなかったFW小林俊英をトップで先発起用。序盤はなかなかボールを運べずにペースをつかめなかったが、小林をターゲットにしてセカンドボールを拾い、左右に大きく展開する形から徐々に形を作っていく。
対する慶誠も、大津のこうした攻撃の狙いは織り込み済みで、サイドからのクロスに対してはセンターバックとボランチで跳ね返し、そこからしっかりボールを動かしながら運んでいく姿勢を見せる。
だが前半31分、大津は中盤の左ハーフスペースでボールを受けたキャプテンのMF森田大智が早いタイミングでクロスを中央へ。これに競り勝った小林のヘディングシュートはゴールポストに阻まれたが、そのこぼれに詰めたFW上塚蓮が押し込み先制に成功。前半終了間際にも上塚のドリブルから一村聖連がフィニッシュに持ち込むが追加点は奪えず、1-0で折り返した。
大津 vs 慶誠(写真=井芹貴志)
迎えた後半、反撃を試みたい慶誠だったが、大津は立ち上がりの38分、左サイドで奪ったボールを中央を経由して右へ展開し、一村の外側をオーバーラップしたDF日髙華杜が正確なクロス。これをファーサイドに飛び込んだ小林が合わせて追加点を挙げる。
大津はさらに43分、54分と、いずれもMF薬師田澪からのパスを受けたMF川口敦史が続けてミドルシュートを決め、試合を決定づけた。
だが4点のビハインドを負った慶誠も決してラフにボールを前線に送るのではなく、しっかりと運ぶ意思を最後まで貫いて反撃。アディショナルタイムの70+4分、「トレーニングでもやっている」(古木裕監督)というバイタルでのコンビネーションからチャンスを迎え、最後のこぼれ球を立山陸空が押し込んで一矢報いた。
敗れた慶誠だが、大津高OBである古木監督が7年前に就任して以降、正確な技術とコンビネーションでの崩しを追求しながら地道に強化を進め、今年の新人戦で初めてベスト8、そして総体で初のベスト4に進出。恩師である平岡和徳総監督率いる母校との初対戦に、古木監督は「1人1人の技術の差はもちろん、タフさの違いを実感した」と苦笑いしたが、一方で「この時期に準決勝で対戦できたことは、良い経験になる。個々をもっと鍛錬しつつ、県のリーグでもしっかり戦い、チーム力を高めていきたい」と話し、冬の選手権に向けて得たものもあった様子をうかがわせた。
また、決勝進出を決めた大津の山城朋大監督も、「前半に得点が取れたことや、カウンターを警戒して全体が間延びしていた準々決勝までの課題も改善できた。怪我人などもいて、約束ごとを徹底できる前に大会に入ったが、試合をしながら高めて形になり、例年のようなタフさがようやく出てきた」と手応えを口にした。
明日の決勝では、全国出場をかけて秀岳館と対戦する。
(文・写真=井芹貴志)
▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)熊本予選
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