FW野田恵佑の2ゴールで芦屋学園が県立西宮を下し準決勝進出

県立西宮 vs 芦屋学園

 令和3年度全国高校サッカー インターハイ(総体)兵庫県予選の準々決勝が29日に行われ、芦屋学園県立西宮が対戦。前後半を1-1で終えた一戦は、延長戦に生まれたFW野田恵佑(2年)の2ゴールによって、芦屋学園が勝利した。準決勝では関西学院と対戦する。

 4回戦ではプリンス関西に所属する三田学園にPK勝ち。続く5回戦では、県の盟主である滝川第二に1-0で勝利。格上と言える2チームに勝利し、勢いに乗る芦屋学園だったが、この日は立ち上がり早々に守備のミスを突かれ、MF毛利海月(3年)に先制点を決められた。追いかける展開を強いられたものの、許泰萬監督が「失点はある程度覚悟していた。三田学園戦で2点差を逆転しているので、力はあると思っていた」と話した通り、焦りの色は見られない。

 ベンチを含めたチーム全員で声を掛け合いながら、士気を高めて試合と向き合った。県立西宮にチャンスを作られる場面もあったが、守備範囲が広いDF柏木雄太(2年)を中心としたDF陣が冷静に対応し、シュートまで打たせず。ボールを奪ったら素早く前線へと展開し、FWスコット龍(2年)や、MF出口遼人(2年)が勢いよく県立西宮のゴールに迫ったが、決定機は前半20分にセカンドボールの回収から放ったスコットのシュートのみに終わった。

 後半に入ってからの芦屋学園は、「点を獲ることを意識して、前に前に行こうとした」(GK久保優、3年)。出口は「上手く相手とフォーメーションがはまらず自分らのペースが掴めなかったけど、後半の最初に球際で勝てたのでペースを掴めた」と口にする。上手く後半に入れた芦屋学園に見せ場が訪れたのは、後半3分。高い位置でボールを奪ったスコット龍から、MF政安宏承(3年)へと展開。最後は、「スコットが奪った瞬間にこれは行けると思い、宏承くんを信じて走った」小林が決めて、同点に追いついた。

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県立西宮 vs 芦屋学園

 その後は運動量が低下した市立尼崎に対し、芦屋学園は交替カードを切りながら、ペースを落とさない。そうした中で、存在感を放ったのは後半30分からピッチに入ったFW野田恵佑(2年)だ。ここまでは思うように出場機会を得ることができなかったが、「今日の試合では彼が活きる」(許監督)との判断で送り込まれた選手だ。「点を獲るつもりでピッチに入った」野田は、延長前半8分にMF倉光諒(2年)のパスにゴール前で反応すると、「スルーパスが出た瞬間にGKが出ているのが見えたので、ループで狙った」と振り向きざまに技ありなゴールを決めて勝ち越しに成功。90分+1分にも右サイドからDF奈木涼弥(3年)、倉光と繋いだボールをイメージ通りに決め、3-1で試合を終えた。

 試合後の久保は、「今日はチームで勝ち取った勝利。自分がミスしても、中の選手だけでなく、ベンチからも『行ける!行ける!』、『切り替え』などと声が飛んでいた。自分自身も声にミスはないので声を掛けようと思っていた。そうやって皆で高め合って掴んだ勝利だと思います」とコメント。準決勝以降も難敵との戦いが続くが、勝ち上がりにつれて増していく一体感を武器に勝利を積み重ねていくつもりだ。

(文・写真=森田将義) 

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)兵庫予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)兵庫予選