長崎総科大附が、試合をひっくり返し、4-2でリーグ3連勝

長崎総科大附vs長崎日大

 4月24日に行われた「高円宮JFA U-18サッカーリーグ2021 長崎県リーグ1部」第3節で、ともに開幕から2連勝中の長崎総科大附と、長崎日大が激突。長崎日大に先制点を奪われながらも、アグレッシブなプレスを90分に渡って展開した長崎総科大附が、試合をひっくり返し、4-2でリーグ3連勝を飾った。

 2年生6人を先発させ、立ち上がりからプレスをかけてボールを奪いにいく長崎総科大附に対し、長崎日大は、ダイレクトプレーを織り交ぜたボール回してプレッシャーを回避。開始6分には、山本和慧のキックから吉野克哉がゴールを決めて先制することに成功する。

 この早い時間帯の失点に対し長崎総科大附の修正は早かった。失点直後にCBの瀬戸俊樹を下げて、右サイドバックに深町綾我を投入してサイドのバランスを改善すると、前線で攻撃の起点となっていた長崎日大の加藤孝太郎を児玉勇翔がマーク。その上でプレスを継続させて、試合の流れをつかんでいくと、20分には原口玖星のロングスローから城間琳がゴール前で押し込み同点に追いつく。

 後半に入り、さらにプレスの強度を上げていく長崎総科大附に対し、長崎日大はボールコントロールや判断のところでミスが目立ち攻撃が停滞。1月の新人戦県大会で見せた鋭いサイド攻撃も左の瀬崎耕平が欠場中のため、長崎総大附属に押し返されるシーンが目立つ。球際の強さで上回る長崎総科大附は、相手守備陣の乱れを突いて50分に、城間がこの日2点目となるゴールを決めて勝ち越し。56分にも徳田壮馬が追加点を奪い、点差を広げていく。

 何とかゲームを立て直そうと、山本が最終ライン近くまで下りてボールをつなごうとする長崎日大だが、サイドとの連動性が思うように作れず攻撃は不発。それでも72分に羽佐古琉晴のシュートで1点を返したものの、80分には、前に出たGK福田雅哉の位置を冷静に見ていた長崎総科大附の西岡紫音に頭上を越えるシュートを決められ失点。そのまま4-2で試合は終了し、長崎総科大附が1月の新人戦県大会2回戦で長崎日大に敗れた借りを返すことに成功した。

 「全然だめ。止めるところ、出すところ、とにかくミスが出た。シンプルに裏を狙うこともできない。(敗因は)メンタルですよ。選手たちの甘さが出た。これで(高総体)勝てますよとは、ちょっと言えないですね」

 試合後、長崎日大の亀田監督は、長崎総科大附のプレスの前に日大らしからぬミスが目立った試合をそう評した。リーグ戦で強豪相手に2勝し、少しはやれそうだなと思っていたという長崎日大だったが、その手応えは4失点の前に吹っ飛んでしまった。

 対する長崎総大附は、立ち上がりこそ日大に主導権を握られかけながらも、小嶺忠敏監督の真骨頂とも言える「奪いにいく守備」で流れを取り戻し、一気に相手を押しきり勝利した。昨年、5年ぶりに選手権出場を逃し、今年の新人戦県大会でも早期敗退した長崎総科大附だが、着々と王座奪還へ向かっていることを感じさせた。

(文・写真=藤原裕久)