首位攻防戦は5点を奪った佐賀東が龍谷を下し首位浮上
2ゴールを挙げた佐賀東MF中山琉稀(写真=森田将義)
高円宮杯U-18サッカーリーグ2021佐賀(サガんリーグU-18)の1部9節が26日に行われ、首位の龍谷と2位の佐賀東が対戦。前半31分に奪ったDF宝納拓斗(2年)のゴールを皮切りに5点を奪った佐賀東が勝利した。
前節、佐賀商との一戦を落とした佐賀東と開幕から無敗を続ける龍谷との勝点差は3。負ければリーグ優勝が遠ざかる一戦とあり、試合前から選手の意気込みは十分。主将のMF森田悠斗(3年)は「今日勝たないと龍谷さんとの勝点差が広がってしまう。来年のためにもプリンスに行くのが大事なので、絶対に勝ちたかった」と振り返る。
ただ、立ち上がりは思い通りにエンジンがかからなかった。3失点した前節の反省を踏まえ、前日に守備ブロックの確認を行ったこともあり、守備の重心が低くなった。その結果、前からプレスに行けず、DF石橋将(3年)やDF平井祐生(3年)が繰り出す大きな展開を防ぎきれず、3トップが中央に固まる龍谷に見せ場を与えた。前半4分には後方からのクサビをMF宮崎由雅(3年)がダイレクトで落とすと、最後はFW又吉耕太(3年)が豪快に決めて、龍谷が先制した。
出足に躓いた佐賀東だが、蒲原晶昭監督からのコーチングや選手同士の声掛けによって、守備を立て直すとボールを奪う場面が増加。奪ってからはMF山内創太(3年)と吉田陣平(3年)のダブルボランチからサイドに展開し、「自分らの強みはサイドへの展開からの1対1。サイドの二人が勝負の鍵を握るつもりでサッカーをやっている」と話す森田悠とMF中山琉稀(3年)が積極的に仕掛けた。31分には中山の突破から左CKを獲得。ゴール前に上がったボールをDF宝納拓斗(3年)が頭で合わせて、同点に。38分には、中山がカットインから放ったシュートがポストとGKに当たって、ネットに吸い込まれた。前半終了間際にも、FW川原一太(3年)が倒され得たPKを吉田が決めて、佐賀東が3-1で試合を折り返した。
首位攻防戦は佐賀東に軍配(写真=森田将義)
後半は、良い形でのボール奪取からカウンターを繰り出す場面が増えた。後半4分に右サイドを崩され、訪れたピンチをGK松雪翔吾(3年)が足で止めて凌ぐと、カウンターから中山が、この2点目をマーク。8分には高い位置で相手ミスを奪った川原が一気にシュートまで持ち込み、5点目をマークした。
「今日はクロスからや中に入っての崩しなど今日は攻撃パターンが多かった」と森田裕が笑みを浮かべた通り、攻撃面での収穫はあったが、終盤になると守備の課題が見え隠れした。特に試合経験を積むため、複数の選手を投入してからは高い位置で相手を捕まえきれなくなり、試合終盤に2失点を許した。圧勝の雰囲気から一転し、最終スコアは5-3。この結果、勝ち点差で並び得失点差で佐賀東が首位に浮上したが、蒲原監督は「もっと圧倒しなければいけない」と反省を口にした。
インターハイ予選までは新型コロナ感染拡大の影響で県外勢との対戦ができず、思い通りの強化ができなかった。県内の感染状況が落ち着き解禁となった今後は格上との練習試合を重ねながら、インターハイに向けた準備を進めていく。
(文・写真=森田将義)