優勝候補の一角“シズガク”が2年前の再現を目指し好発進!
静岡学園 vs 徳島商(写真=小室功)
「フルスロットルでいくよ」。
試合前のミーティングで、静岡学園の川口修監督は選手たちにこう告げた。
その指示を早速、結果に結びつけた。
立ち上がりの3分、左CKのチャンスを生かし、ボランチの小泉龍之介(3年)が頭で押し込んだ。11年ぶり40回目の出場となる古豪・徳島商の出鼻をくじいた。
その後、優勢に試合を進めるものの、なかなか追加点が奪えない静岡学園。だが、後半に入ってから、立て続けに3得点し、あっという間に勝負を決めた。個の力、高さ、連動性が見事に絡み合い、次々にゴールを重ねていく。
緩急自在のドリブルを再三披露し、1ゴール1アシストの活躍を見せたエースの古川陽介は「自分たちの開幕戦ということで、少し気負ってしまったかもしれない。チームとしても個人としてもまだまだ改善すべき点はあるけれど、僕自身、まず1点取れたことは大きい」と、安堵の表情を浮かべた。
2点目のゴールを決めた静岡学園DF伊東進之輔(文・写真=小室功)
試合後、第98回の選手権優勝メンバーのひとりである先輩の松村優太(現・鹿島アントラーズ)から「リラックスしてやればいいよ」と声をかけてもらったとか。
攻撃の手を緩めない静岡学園は、57分にさらに1点を加え、大量5得点を叩き込んだ。
「トーナメントなので、(点差に関係なく)1-0でも5-0でも勝ち上がることはできるけれど、常に攻め続けるのが我々のスタイル。勢いをつけていく意味でも(取れるだけ)たくさん取る。その姿勢を貫いていきたい」(川口監督)。
勇猛果敢な静岡学園に対し、力の限り戦った徳島商だが、完敗を認めざるを得なかった。キャプテンで、CBの増田太陽(3年)は「県内や四国のレベルなら、自分たちのコンパクトな守備が通用するけれど、全国レベルの相手には難しかった。(古川に決められたドルブル突破からの失点シーンで)最後にかわされたのは僕。取れると思って足を出したけれど、届かなかった」と、唇をかんだ。
優勝候補の一角“シズガク”が2年前の再現を目指し、好発進した。
(文・写真=小室功)
▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権