関東一が初のベスト8へ!“ホットライン”から電光石火の決勝点

関東一 vs 矢板中央(写真=小室功)

 選手権4回目の出場の関東一(東京B)が初のベスト8に名乗りを上げた。

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 “取って、取られて”のシーソーゲームが決着したのは「2-2のままPK戦に突入か」と思われた矢先の78分だった。

 中盤での奪い合いから、こぼれてきたボールを攻撃のキーマン、肥田野蓮治(3年)が足元に収めると、一気に加速。ドリブルしながらタイミングを見計らい、ゴール左のスペースに走るFWの本間凜(2年)に絶妙なラストパスを送った。迷わず振り抜いた本間の左足シュートがゴール左上隅に突き刺さった。

 ボールを保持した瞬間からシュートが決まるまで、わずか6秒ほど。まさに電光石火の一発だった。

 「ああいう状況でのシュートはあまり得意ではないけれど、後半に入ってから1本も打っていなかったし、PK戦になりたくないと思っていた。左足を合わせることに集中して思いきってねらった。いいところに入ってくれました」と、本間の声が弾んだ。

 利き足の左足で、6分に先制点をマークしていた肥田野は「自分が前を向けたら、チャンスになる。本間も信じて走ってくれたので、ゴールにつながった」と“ホットライン”による会心の決勝点を喜んだ。

 試合を常にリードしていたのは関東一だったが、昨年度まで2年連続ベスト4の実績を持つ矢板中央(栃木)が追いすがった。

決勝ゴールを挙げた関東一FW本間凜(写真=小室功)

 「(試合終了が近づくなか)PK戦のことは考えず、点を取りにいった。うちには攻撃の推進力を作ることができる選手たちがいる。相手にしてみれば、そこが最後まで嫌だったのではないか」(関東一・小野貴裕監督)。

 「これまで堅守速攻のスタイルだったが、今年度のチームには攻撃力のある選手がそろっているので、前から積極的にいくスタイルに挑戦していた。早すぎる失点で、ゲームプランが崩れてしまった。あきらめずに戦ったが、やはり最後の失点が悔やまれる」(矢板中央・髙橋健二監督)。

 関東一の次なる相手は優勝候補の一角“シズガク”だ。開幕戦でプレーした「国立に戻る」を合言葉に難関突破に挑む。

(文・写真=小室功)

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