桐光学園、帝京大可児の次は帝京長岡にもPK勝ち!9大会ぶり8強入り

PK戦までもつれた熱戦(写真=森田将義)

 1月2日、第100回全国高校サッカー選手権の3回戦が行われた。等々力陸上競技場で行われた帝京長岡(新潟)と桐光学園(神奈川)の一戦は、1-1(PK5-3)で桐光学園が勝利した。4日に行われる準々決勝では高川学園(山口)と対戦する。

 ビハインドを追いついて、PK戦の末勝利した2回戦の帝京大可児(岐阜)戦に続いてのPK戦勝ち。鈴木勝大監督が「今日も苦しい試合でしたけれど、選手たちが我慢強く戦って、こういう結果に繋がったので、またポジティブに次の準備が出来る。1日置いて、また明後日この等々力競技場で良いゲームをしたい」とコメントした通り、次戦に繋がる粘り勝ちだったのは間違いない。

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 前半に主導権を握ったのは3年連続のベスト4、そして初の日本一を狙った帝京長岡。9分に右サイド高い位置でのスローインを受けた2番MF佐々木奈琉が味方とのワンツーでゴール前に入り、シュートを放つなどサイドを起点にお家芸であるコンビネーションで桐光学園のゴールに迫った。15分には10番MF三宅凌太郎がミドルゾーンで奪ったボールを前に運んでミドルシュートを放つなど、高い位置での守備も機能し、好発進を切った。すると、23分には9番FW渡辺祐人のパスから佐々木がPA右へと侵入。ゴール前に入れた速いパスを反対サイドの6番MF武原幸之介がダイレクトで合わせ、帝京長岡が先制した。40分にも得点には至らなかったが、相手守備のパスミスを奪った11番MF松山北斗ががら空きのゴールを狙うなど上々の出来で前半を終えた。

 対する桐光学園は我慢の時間が続き、前半に打ったシュートは1本。その理由について鈴木監督はこう振り返る。「前半は守備をセットする位置が低くて、相手に主導権を取られ過ぎたため、ゲームが難しくなった」。後半に入ってからは、守備の位置を前に上げ、高い位置から奪いに行った事で帝京長岡の戸惑いを生んだ。セカンドボールも効果的に奪えたため、良い攻撃が増え始めた。54分には右サイドでのスローインからゴール前に展開し、フリーの9番MF田中英泰がゴールを狙ったが、1番GK佐藤安悟が好セーブ。62分にも4番DF川角歓紀が送った体格へのフィードを田中が合わせたが、得点には至らなかった。

歓喜の桐光学園(写真=森田将義)

 自分たちの流れに持ち込んだ桐光学園に歓喜の瞬間が訪れたのは、63分。10番MF三原快斗のシュートで右CKを獲得すると、3番DF寺内倖大がゴール前にクロス。川角のヘディングシュートはGKに阻まれたが、こぼれ球を2番DF米山悠葵が押し込み、同点に追い付いた。「0-1になっても最後まで諦めない気持ちはどのチームよりも強いと思っていたので、その気持ちが最終的にゴールへと繋がったと思います」(米山)。

 以降は試合が動かず、PK戦に突入したが、ここで輝きを放ったのが、2回戦でもPK戦で止めている桐光学園の1番GK吉田優翔。帝京長岡2番手のキックを吉田が止めると、桐光学園は5人全員がキックを成功させ、ベスト8に名乗りを挙げた。

(文・写真=森田将義)

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権