トリックセットプレーで話題の高川学園が仙台育英を下し15年ぶりのベスト8進出!

高川学園 vs 仙台育英(写真=森田将義)

 1月2日、第100回全国高校サッカー選手権の3回戦が行われた。等々力陸上競技場で行われた高川学園(山口)と仙台育英(宮城)の一戦は、試合終了間際に生まれた14番MF西澤和哉のゴールによって高川学園が勝利し、15年ぶりとなるベスト8進出を掴んだ。

 高川学園と仙台育英の顔触れは、同じ日時、同じ会場で行われた2年前の選手権2回戦と同じ。この時は、1点を争う好ゲームを繰り広げ、1-0で仙台育英が勝利している。「今日は、2年前のリベンジを意識していた。時間も場所も相手も一緒で、試合前から絶対に勝とう選手で話していた。2年前からメンバーに入っている選手も多かったですし、自分たちは1年生の時のルーキーリーグで仙台育英に負けている。3年生全員が絶対に勝ちたいという気持ちが凄く強かった」。ゲームキャプテンを務めた8番MF北健志郎はそう振り返るが、2年前同様前半は思い通りに点が奪えなかった。

【フォトギャラリー】高川学園 vs 仙台育英

 開始から一進一退の展開が続き、19分にはまず仙台育英にチャンスが訪れた。16番MF小林純太が左サイド低い位置からゴール前にクロスを入れ、ゴール前に飛び込んだ10番MF島野怜がヘディングで合わせたが、GKの正面。直後には高川学園も相手ゴールに迫り、10番MF林晴己がミドルシュートを狙ったが、枠の上に逸れた。30分のチャンスは、仙台育英。前線で9番FW佐藤遼が粘って収めたボールから、島野がミドルシュートを放ったが、17番GK徳若碧都の好セーブに阻まれた。39分には、高川学園が海外でも話題となっているトリックCKを披露。5人が輪になり、“トルメンタ”を繰り出すかのように見せ、ショートCKからクロスを上げたが、シュートに至らなかった。

 後半も展開は変わらない。互いにチャンスを作ったが、1点が奪えないまま時間が経過した。57分には仙台育英がチャンスを演出。島野のパスから、14番松本銀士が左サイドを突破。ゴール前に入れた速いパスを反対サイドの24番MF安藤誠哲が合わせたが、徳若に阻まれた。22分には入ったばかりの7番MF明石海月の左CKが直接、ゴールに向かったが、再び徳若のセービングに阻まれた。

劇的勝利の高川学園(写真=森田将義)

 危ない場面が続いた高川学園だったが、「DFラインやGKに気合のこもったプレーが多かったし、前線でも身体を張ったプレーでチームを助けてくれる選手が多かった」(北)。残り10分に入ってからはセットプレーで仙台育英を押し込むと、74分には16番山崎陽大が上げた右CKから、28番岡楓大がヘディングシュート。78分には北のクサビから11番MF林良真がゴールを狙ったが、仙台育英の守備に阻まれ、得点には至らない。このまま、PK戦に突入するかと思われたが、80+3分には左CKを山崎がゴール前に展開。相手DFにクリアされたボールを「自分が最後に点決めて勝ちたい、勝利を掴みたいと思って振り抜いた」と話す14番MF西澤和哉が左足で押し込んだ。このゴールが決勝点となり、高川学園がベスト8入りを決めた。

(文・写真=森田将義)

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権