前線のスピードを生かし今宮工科が大教大池田を下し2回戦突破!

選手権大阪予選 2回戦 今宮工科 vs 大教大池田

 9月25日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の2回戦1日目が行われ、今宮工科vs大教大池田は1-1で迎えた後半にFW阿野龍ノ介のゴールで逆転に成功した今宮工科が2-1で大教大池田を下した。勝利した今宮工科は3回戦で柴島vs北かわち皐が丘の勝者と対戦する。

 今宮工科は今大会これが初戦。大教大池田は1回戦で東住吉総合を1-1PK(3-1〇)で下し、この2回戦に勝ち上がってきた。

 「初戦という事もあり、立ち上がりは生徒らも緊張していた」(中井崇貴監督)という今宮工科に対し、大教大池田が先制パンチを繰り出す。試合開始2分、39番FW吉沢朔太郎からのパスでボックス内右を抜け出した8番MF吉澤瑛人がGKとの1対1を制してゴール。ファーストチャンスをモノにした大教大池田が先制に成功する。

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 いきなり先制を許してしまった今宮工科も次第に落ち着きを取り戻し反撃に出る。12分、27番FW藤岡陽音がGKのパントキックをコントロールしながら反転しDFを交わすと、完全に抜け出しゴール左に落ち着いてシュートを流し込んだ。試合を振出しに戻し「1点取り返してくれたのでそこでメンタル面がイーブンに保てた」(中井監督)と勢いに乗った今宮工科がそこから再三決定機を作り出す。

 22分には22番FW阿野龍ノ介が中央を抜け出し、18分にも右サイドからの斜めのパスで中央をFW藤岡が抜け出す。大教大池田のDFラインの裏を次々と攻略していく。大教大池田は高めにラインを設定していた為、FW阿野とFW藤岡のスピードに苦戦するも、7番GK松岡礼大の好セーブもあり何とか同点のまま前半を凌ぎ切った。

決勝ゴールを決めた今宮工科22番FW阿野龍ノ介

 後半に入ると流れが一変し、大教大池田が押し込む時間が続く。49分にはMF吉澤が中央でスルーパスからシュートまで持って行くもこれはバーの上へ外れてしまう。すると、この我慢の時間を耐え抜いた今宮工科にチャンスが到来。52分、18番DF赤松郁海が左サイドからドリブルで中に切れ込むと、赤松からボールを託されたFW阿野が縦にドリブルで仕掛け「それまでずっと外していて、1点決めないといけないと思っていたところで落ち着いて決められた」とボックス内左から逆サイドネットにシュートを流し込む。今宮工科が押し込まれ続けた中でワンチャンスを確実に仕留め、逆転に成功した。

 試合終盤、大教大池田が最後の力を振り絞り怒涛の攻撃を展開するも、ゴールをこじ開けることが出来ずにタイムアップ。今宮工科が2-1で大教大池田を下し初戦を突破し3回戦に駒を進めた。

 試合後、勝利した今宮工科の中井監督は「後半からがホントの勝負だと思っていました。うちの前の2枚(FW阿野とFW藤岡)に相手はスピード的に対応できていないと思っていたので、『後半そこに絶対にチャンスが来る』だろうと信じていました。向こうは(交代選手の)人数もいましたが、うちは交代できる(攻撃的な)メンバーもいないので、絶対きつくなると思っていました。その中でこの子たちが集中を切らさずに戦ってくれたのが全てかなと思います。もう嬉しいです。嬉しい限りです」と厳しい戦いを乗り切った喜びに浸った。

 「人数も少なくて3年生も悩みながら、リーグ戦もずっと勝てずに来たので、ほんまに今日に全てを合わせてとにかく勝てるようにしよう」と臨んだ初戦に勝利し「欲張りですけど、次とその次まで行きたいです」と先ずは3回戦突破を目指し今宮工科が次の戦いに挑む。

 (文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
第100回全国高校サッカー選手権大阪予選