キャプテンMF西村颯翔が1G1Aの活躍!泉大津が山本を下し3回戦へ

ゴールを決めて喜ぶ泉大津イレブン

 9月26日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の2回戦が行われ、山本vs泉大津は着実にリードを広げた泉大津が3-0で山本を下した。勝利した泉大津は3回戦で長尾と対戦する。

 両チームこれが今大会初戦ということもあり硬さが見えた序盤、先にペースを握ったのは「開始5分は前線からプレスに行こう」と藪内延佳監督に送り出された山本イレブン。山本はDFラインでも落ち着いてパスを回しながら縦パスで攻撃のスイッチを入れていく。対する泉大津も徐々にペースを握り始めると29分、相手のゴールキックが短くなったところを見逃さず、カウンターから10番MF川端勇翔がボックス内左まで持ち込みシュート。DFのブロックに当たったボールがGKの上を抜けてゴールに吸い込まれた。このゴールで先制した泉大津が1-0と1点リードで前半を終える。

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選手権大阪予選 2回戦 山本 vs 泉大津

 「3年生最後の大会だったので2点3点取ってなんとかサブの子も出してあげたいというのがあった」(西村諭史監督)と後半も追加点を狙う泉大津は40分、右CKを獲得すると練習してきた形を披露。GKの前に選手を固め、キッカーの7番MF西村颯翔がニアにグラウンダーで速いボールを供給。これに走り込んだ11番MF武川零生が合わせると、視界を遮られていたGKがシュートに反応できずボールがゴールに吸い込まれた。

 これで2点にリードを広げた泉大津は予定通りベンチに控えていた3年生を次々投入。キャプテンのMF西村は交代する2年生たちを労い、ピッチに入ってくる3年生の仲間を笑顔で迎え入れた。そして泉大津はそのキャプテンが自らダメ押しの3点目を決める。54分、GKのパントキックを前線の選手が競り合うとボールが後ろに逸れたところにMF西村が一人抜け出し相手GKが前に出てきた上を越すループシュートをゴールに流し込んだ。

 一矢報いたい山本がここから攻勢に出るも、裏を狙った飛び出しがことごとくオフサイドに掛かってしまいそのまま試合終了。3-0で山本を下した泉大津が2回戦を突破し、J-GREEN堺で行われる3回戦に進出した。

 勝利した泉大津の西村監督は試合後、「相手のゴールキックのところでチャンスがあるのかなと、2点目のCKの場面でも昨日練習してきた事が活きたのかと思います。今まではあまりやらなかったんですが、あそこもGKの前に立たなかったら防がれていたのかなと思うので、大事な2点目があそこで取れてよかったなと思います」と狙い通りの得点だったと明かし、次戦は長尾との対戦となるが「(4回戦の)東大阪大柏原戦を目指して戦っているので、ビデオの分析もしてなんとか1点2点を決めれるように全員で戦いたいなと思います」と意気込みを語った。

 1G1Aの活躍をみせた泉大津キャプテンのMF西村颯翔が「多少緊張して雰囲気も硬かったんですけど、点も入って段々いい形が作れるようになりました」と試合を振り返ったように、初戦の難しさに直面していたチームを先制点が解放した。そして「3点取って3年生を試合に出したかった」と引退の掛かった試合という事もあり、仲間を出場させたい気持ちが追加点へと繋がった。「今までも(サッカー部を)辞めたいと言われたりすることもあったけど、一人一人に気持ちを伝えて、コミュニケーションを取る事を大事にしてきました」とキャプテンとして一人一人と向き合ってきた西村。自身が決めた3点目のゴール後には3年生たちと同じピッチ内で歓喜の輪を作った。「まだまだみんなとサッカーがしたいので、しっかり勝ってチーム全体で4回戦5回戦と上に行きたいです」とキャプテンはまだまだチームを上へと導くつもりだ。

一方、残念ながら2回戦敗退となってしまった山本の藪内監督は「立ち上がりはうちのペースだったんですけど、失点してから相手のペースになってしまいました。『いい守備から良い攻撃に繋げよう』という事だったんですけど、70分間は(前線からのプレスを)続けられないのである程度ラインを引いて守っていたんですが、引いた時に押し込まれてやられたっていうのと、左サイドから攻めてくると分析して警戒していたんですけど、引いた時にその左サイドを使われて失点してしまった」と試合を振り返り、「例年にない人数が入って来てくれた」というこれで引退になる3年生とは人数が多い分、ぶつかることもあったそうだが、「納得できないことに対しては自分の意見をちゃんと言えるいい子達でした」と3年生に対しての気持ちを話してくれた。

 (文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
第100回全国高校サッカー選手権大阪予選