MFフラワーズ麗偉の2ゴールの活躍で賢明学院が3-0で上宮太子を下し初戦突破!

ゴールを決めて喜ぶ賢明学院イレブン

 10月2日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の3回戦が行われ、賢明学院vs上宮太子はMFフラワーズ麗偉の2ゴールの活躍もあり賢明学院が3-0で上宮太子を下した。勝利した賢明学院は4回戦で浪速vs豊中の勝者と対戦する。

 3回戦シードの賢明学院はこれが今大会の初戦となった。「夏の暑い間にリーグ戦が続いたので、疲労や怪我人が多くベストメンバーが組めないんです」(悦勝公豪監督)という賢明学院だが、試合数の少ないセレッソ大阪Bを抑えリーグ戦では2部Aグループで暫定首位を走るチーム。対する上宮太子も1回戦で渋谷に5-0、2回戦で東百舌鳥に3-0で危なげなくこの3回戦に勝ち上がってきた。両チーム技術がしっかりした選手が揃っているだけあって好ゲームが展開される。

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選手権大阪予選 3回戦 賢明学院 vs 上宮太子

 「もう賢明学院の強さは十二分に知っていて、『自分たちらしさを出した戦いをするか、相手をリスペクトして自分たちが出来ることをするかと』いうことを選手達と話し合った上で、しっかり守って辛抱して自分たちの形を作るとういう練習をしてきた」と茶田昌蔵監督が言うように、上宮太子は賢明学院の攻撃に対し我慢強く対応。相手のプレスに苦戦しながらも後方からパスを繋ぐビルドアップにもチャレンジし機会を伺い、10番FW住田夕衣翔のドリブル突破でアクセントを付けながら、15分には11番MF峰海斗がファーストシュートも放つ。

 一方、ボールを持ちながらも中々フィニッシュに繋がらなかった賢明学院だったが、11番MFフラワーズ麗偉がキレのあるドリブルで度々チャンスを作りだすと前半終了間際の34分、右サイドから崩し最後は中央バイタルエリアの密集から抜け出したMFフラワーズが「あの形は沢山練習して来て、ああいうシーンは浮かせた方が入ると練習でも掴めていた」と飛び込んできた相手GKに対し冷静に浮かせてゴール左にシュートを流し込んだ。先制点を手にした賢明学院が1点リードで前半を終える。

 後半に入っても流れは賢明学院。2年生で10番を背負うMF白尾風樹が積極的にシュートを放っていく。上宮太子も42分にカウンターからMF峰が中央を一人抜け出す決定機を作るが、シュートはGKにセーブされ決定機を生かすことが出来ない。

 追加点が欲しい賢明学院は57分、直前にポスト直撃のミドルシュート放っていた27番MF那須健一が右CKにゴール前で打点の高いヘディングで合わせる。MF那須が叩きつけたシュートは相手GKも反応できずゴールネットを揺らした。この追加点で勢いに乗った賢明学院は65分、中央でパスを繋ぐと29番FW杉村晋作のフリックでボックス内左を抜け出したMFフラワーズが1点目同様冷静に、右から来たボールに「GKが右重心だったので左足よりも」と、右足のアウトサイドで合わせタイミングをずらしゴール右隅にシュートを流し込んだ。

 一矢報いたい上宮太子も終盤猛攻をみせるが、右からのクロスに合わせた26番MF松浦元哉のヘディングシュートも枠を捉えることが出来ずにタイムアップを迎え3-0で賢明学院が勝利した。

 試合後、チーム2点目のゴールを決めた賢明学院のMF那須健一は「チームに勢いを付けられる追加点を決められて良かったです」と自身初となる公式戦でのバースデーゴールを喜んだ。「みんな緊張していて難しかった」という初戦を無事に突破したMF那須は「次もみんなで勝てるように協力してやりたい」とホームで迎える次戦に対し意気込んだ。

 勝利した賢明学院の悦勝監督は「いい状態であれば中々面白い攻撃が出来るチームなんですけど、怪我人も多いのでこれから良い状態に持って行けるかですね。コロナで練習試合が出来なかった分、1時間しか出来ないんですがチーム内での練習が出来たので、ゲームのやり方がだいぶわかってきた。今日みたいに守られても『こういうところを攻めればいい』とわかってきているので対応は出来るチームになってきています」とチームの状況について話した。

 「相手のディフェンスのどこが空いているか気付いた選手が入っていく」と悦勝監督のいう賢明学院の攻撃スタイルは流動的で対戦相手からすると掴みどころが難しい。「点は取られますけど、今年はどことやっても点は取れる」という多彩な攻撃で相手守備陣を崩していく。インターハイ予選では6回戦でプリンス勢の金光大阪に2-2からのPK戦で悔しい敗戦を喫しているだけに、強豪相手にも通用する攻撃でこの選手権ではベスト8の壁を破れるかに注目だ。

 (文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
第100回全国高校サッカー選手権大阪予選