北かわち皐が丘が2度のビハインドを跳ね返し、3-2で今宮工科を振り切る!

選手権大阪予選 3回戦 今宮工科 vs 北かわち皐が丘

 10月2日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の3回戦が行われ、今宮工科vs北かわち皐が丘は2度のビハインドを跳ね返し逆転した北かわち皐が丘が3-2で勝利。勝利した北かわち皐が丘は4回戦で香里ヌヴェール学院と対戦する。

 今宮工科は2回戦で大教大池田に2-1で競り勝ってこの3回戦に進んできた。今宮工科はワントップの22番FW阿野龍ノ介と左サイドの27番MF藤岡陽音の2人が持ち前のスピードを生かした突破が特徴的なチーム。2回戦でもこの2人がゴールを決めてチームを勝利に導いた。対して北かわち皐が丘は2回戦で柴島に18-0での大勝。「最初は個人でプレーする選手たちだった」という選手たちに森良太監督がパスサッカーを植え付けて「戦術的なことも落とし込んでやっとチームになってきた」というチーム。

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選手権大阪予選 3回戦 今宮工科 vs 北かわち皐が丘

 試合は序盤から両チームがカラーを出し攻め合う。先制したのは今宮工科。10分、自陣からのクリアボールを右サイドで奪い返し、中央に走り込んだFW阿野にボールが渡ると、阿野がDFを振り切ってボックス内に侵入しそのままゴール右隅にシュートを流し込んだ。先制を許した北かわち皐が丘もすぐさま取り返す。15分、右サイドから24番DF池田峻がアーリーで山なりのボールを前線に送ると、マークを外しながら落下地点に上手く入り込んだ10番FW榊原翔が右足でジャンピングボレー。「前半からゴールを決めるのを目標にしていた」という榊原のシュートがゴールネットを揺らした。

 同点に追い付かれた今宮工科だったがFW阿野とMF藤岡のホットラインで再び引き離す。21分、右サイドに流れてボールを受けたFW阿野が縦に仕掛けてDFとGKの間を通す絶妙なクロスを上げると、ゴール前に走り込んだMF藤岡が左足で合わせてゴール。しかし30分、北かわち皐が丘は左サイドからのクロスにゴール前で28番MF鬼崎蓮が頭で合わせてゴール。両チームが2点を取り合い2-2で前半を終える。

 後半に入ると「2回戦は土だったんでイレギュラーバウンドがあったんですけど、今日はJ-GREENで芝だったので落ち着いてパスを回して繋ごうとしていた」(キャプテン7番MF松本陸)と北かわち皐が丘がボールを握る展開。すると耐える時間が続いた今宮工科の選手たちに疲労の色が見え始め、カウンターを狙うも前線のFW阿野へのボールも単調になり自陣に押し込まれる。すると61分、北かわち皐が丘が中央から右サイドに展開するとスルーパスに追い付いた29番MF倉橋柊太がダイレクトでクロスボールを上げる。これに中央を猛然と上がってきたMF鬼崎がボールの軌道に合わせてファーサイドに飛び込むと、打点の高いヘディングシュートをゴールにねじ込んだ。

 2度のビハインドを跳ね返しこの試合初めてリードを奪った北かわち皐が丘がここから落ち着いて試合を進めタイムアップ。MF鬼崎の決勝ゴールを守り切った北かわち皐が見事に3-2の逆転勝利を飾り、嬉しい4回戦進出を決めた。

 惜しくも3回戦敗退となってしまった今宮工科の中井崇貴監督は試合後「とにかく悔しいです。(点の)取り方はうちの形だったんですけど、うちはギリギリのところで点が取れたのに対して相手はやっぱり余裕のあった取り方だったので。それで2-2の展開だったので後半はとにかくしんどくなるし、我慢我慢になると。取られて逆の(追いかける)展開になった時に取れるかっていう心配はしていたのでそれが最後に出てしまいました」と試合を振り返った。続けて「相手がホントに上手かったです。『きっちり試合をしてくるな』と言うチームでした。そこがうちの足りなかったところです」と勝者を讃えた。

 中井監督は「うちは1回戦2回戦のチームでしたので、去年初めて3回戦に行って、今年も2年連続でJ-GREENに来れたのには価値があると思っています。常にJ-GREENに来れるチームになっていかないといけないと思っていますので、今回は勝ち上がってここに来ましたので、よくこの子たちが頑張ってくれたなと思っています」と選手権を終えた3年生を労った。 

 一方、勝利した北かわち皐が丘は「正直先制されたのはしんどくて、"マジか"と思いました。僕らは先制されると空気が良くないので、点を取られた後は声を出して盛り上げていこうと思っていました」とキャプテンのMF松本が振り返ったように厳しい試合展開だった。しかし「選手権の前にも延期で気持ちが下がってしまったところを鬼崎が鼓舞して上げてくれた」(森監督)「鬼崎君が声でもプレーでも勝に行く気持ちを示してくれた」(MF松本)とMF鬼崎が2ゴールでチームを勝利に導いた。次戦の相手は昨年初のJリーガーも輩出した強敵香里ヌヴェール学院。

 「めちゃめちゃ格上やと思うんですけど、PKでもなんでもとにかく勝って次に行きたい」とキャプテンが言えば、「僕らより全然強いので守備をしっかりしてカウンターで決めたい」と先制点を決めたFW榊原は次戦もゴールを狙う。森監督も「自分たちのサッカーをするだけです!」と言い切った北かわち皐が丘が5回戦進出を目指し次戦香里ヌヴェール学院に挑む。

 (文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
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