大冠が6発快勝で3回戦突破!日新は一矢報いるも力及ばず

選手権大阪予選 3回戦 大冠 vs 日新

 10月3日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の3回戦が行われ、大冠vs日新は序盤から相手を圧倒した大冠が6-1で日新を下した。勝利した大冠は4回戦で大阪朝鮮高級学校と対戦する。

 大冠は2回戦で大阪学芸に4-0で勝利し勝ち進んできた。横の繋がりが強くチームワークが伝統という大冠は「日新高校さんは前に良いFWいるのがわかっていたので、"先ずは失点しない事"が大事」(高田真光監督)と試合に入った。

【フォトギャラリー】選手権大阪予選 3回戦 大冠 vs 日新

 対する日新は2回戦で岬に15-0の大勝で勝ち進んできた。しかしこの試合では「わかってはいたんですが、予想以上に相手の出足が鋭くて受け身に立ってしまった」(朝山正揮監督)と序盤から大冠の勢いに押される展開。すると10分、大冠は10番MF小西奏汰の左CKから6番MF木村流唯が押し込み先制。さらに12分、またもMF小西の左CKがDFに当たりながら直接決まる。止まらない大冠は14分、今度は流れの中から右サイドを崩し9番MF脇直輝のクロスにMF小西が右足で合わせて3点目。その後も一方的に押し込む大冠は25分、11番FW安藤冬羽がロングボールで抜け出し左足でゴールネットを揺らし4点目。

ゴールを決めて喜ぶ大冠イレブン

 厳しい展開となってしまった日新もカウンターから左サイドを14番MF殿川徠聖が仕掛けるもDFのブロックに合いフィニッシュできず。大冠はプレスバックも速く相手に自由を与えず4点リードで前半を終える。

 後半の入りから攻めに出た日新は41分に8番MF青木駿弥のPKで1点を返す。ここから反撃態勢に入りたかった日新だったが、直後の44分にMF脇に5点目を決められ、60分にも交代出場の18番MF石井陸翔にゴールを許しタイムアップ。6-1で大冠が勝利し、4回戦に駒を進めた。

 悔しい敗戦となった日新の朝山監督は「相手が3バックだったので、サイドハーフとの間を狙いながらうちが普段からやっている繋ぐサッカーをやろうとしていたんですが、最初に2点取られてしまい、こちらとしては出鼻をくじかれてしまった。自分たちのやろうとしたことも、相手の出足の鋭さに後手後手に回ってしまった」とやりたいことが出来ず守るのが精一杯に終わってしまった事を悔やんだ。しかし苦しい展開の中でも最後まで顔を上げて戦った選手たちには「自分たちで考えて練習からやってきてくれたので、最後まで気持ちを切らさず、諦めずにやり切ってくれた」とコメント。これで引退となる3年生には「このコロナ禍で2年間思うようにクラブ活動が出来なかった中で、我慢しながらしっかりやってくれたので今後に活かしてほしい」と労いの言葉と共に彼らの今後の活躍にエールを送った。

 一方、勝利した大冠の高田監督は「自分たちのサッカーをして、なるべく前半に点が取れたらと入ったんですが、実際その通りに出来ていい試合の運び方が出来たのかなと思います」と満足のいく内容だったと試合を振り返り、CKから先制点と追加点が生まれたことに対しては「普段からセットプレーの練習はしているので、本番でもそれが発揮出来た」とコメント。

 大冠は「去年は一つ上の代が多く試合に出ていたので試合に絡めなかった」という今年の3年生だが、「まじめにコツコツ」やる事で去年と同じくらいの完成度になってきた。コロナで対外試合が組めない中でも「大冠の良さは横の繋がり、顧問と選手の信頼関係だったり、そういうチーム力が売り」のチームはネガティブな環境にもお互い話し合ってチーム力を高めてきた。次戦の相手は大阪朝鮮高級学校。「オオカンらしく」と指揮官も選手も口を揃えた大冠が自慢のチーム力で4回戦に挑む。

 (文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
第100回全国高校サッカー選手権大阪予選