泉北に5-0で勝利した桜宮が前回王者・履正社への挑戦権を獲得!
左サイドから度々チャンスを作りゴールも決めた桜宮18番FW長屋寛大
10月9日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の4回戦が行われ、泉北vs桜宮は交代出場のFW長屋寛大の活躍もあり、桜宮が5-0で泉北を下した。勝利した桜宮は5回戦で履正社と対戦する。
4部リーグ所属の泉北は3年生がGK畠中彪一人で1.2年生主体のチーム。2回戦で花園戦(2-1〇)、3回戦で緑風戦(2-1〇)と接戦を制しこの4回戦に進んできた。対する桜宮は公立校では数少ない2部リーグ所属のチーム。3回戦で関西福祉科学大高に5-0と大勝して4回戦に臨んだ。
「スカウティングさせていただいて、ボールサイドに偏る傾向があったのでサイドを広く使って行こう」(東塚雅伴監督)と相手を寄せてから逆サイドを使いたい桜宮と、「まずは前から行って、(ボールを)取れたらショートカウンターで1点」(キャプテンDF宮本燿生)と果敢に前線からのプレスを仕掛けて先制点を狙いに行った泉北。
【フォトギャラリー】選手権大阪予選 4回戦 泉北 vs 桜宮
桜宮は積極的に前からプレスに来る泉北の守備に手を焼きながらも先制点を手にする。6分、右サイドを深く崩しマイナスに折り返したボールに中央へ走り込んだ6番DF大間知志音が合わせてゴールネットを揺らした。泉北は先制を許したものの、その後も前から行く姿勢を継続。すると20分に桜宮が早くも動き18番FW長屋寛大を投入。そのFW長屋が持ち前のスピードでDFを剥がし局面を打開し桜宮がペースを掴むと36分、クロスボールをファーサイドが折り返したところに2番DF巽彩夢が詰めてゴール。桜宮がリードを2点に広げ試合を折り返す。
後半に入るとギアを上げた桜宮が一方的に泉北を押し込む。GK畠中がファインセーブを連発し何とか食い止めていた泉北だったが、次第に選手たちに疲労が見え始める。すると51分、桜宮がスローインから右サイドを崩すと、最後は中央でフリーになった3番DF新保晴嗣が狙い澄ましてシュートをゴール右に流し込んだ。更に58分にはボックス内左でボールを受けたFW長屋がトラップで入れ替わったところを倒されPKを獲得。これをFW長屋が自ら落ち着いて沈めて4点目。桜宮は67分にも16番DF末信啓にダメ押しの5点目が生まれ勝負を決める。
選手権大阪予選 4回戦 泉北 vs 桜宮
一矢報いたい泉北はアディショナルタイムに最後の力を振り絞りカウンターを発動。10番MF福田悠人のラストパスにゴール前に駆け上がったキャプテンのDF宮本がフリーでシュート。しかし、「1点を返したい」と放ったこのシュートは無情にもクロスバーに弾かれゴールならず。ここで試合終了のホイッスルが鳴り5-0で桜宮が勝利し5回戦へ駒を進めた。
試合後、残念ながら4回戦敗退となってしまった泉北のキャプテンDF宮本は「立ち上がりに失点したのが痛かったです。もし先制できていればまだチャンスはあったのかもしれないと思うんですが、やっぱり日頃の練習があそこで出たんだと思います。集中力の無さとかラインの上げ下げ、やっぱり桜宮はそういうズレを狙ってくるし、そこの集中力の無さが敗戦に繋がったのかなと思います。ただ、前から守備に行って、やろうという気持ちをみせることが出来たのは良かったと思います」と立ち上がりの失点を悔やみながらも、格上相手に果敢に挑んだ結果には納得の表情を見せた。
試合終了間際の自らの惜しいシュートのシーンに対しては「あれはホンマに悔しいです。ホンマに。あれも練習が足りない、強度の足りなさ、自分の意識の足りなさっていうのが出たんだと思うので、インターハイはもっと上に行けるようにここから成長していければと思っています。相手は強かったけど出来た部分もあったので、そこは自信を持って本気でサッカーと向き合っていこうと思います」とゴールを決め切れなかった悔しさを表現し、来年3年生で迎えるインターハイでの雪辱を誓った。
一方、勝利した桜宮のキャプテンMF木村英太は「去年自分たちは4回戦で負けてしまったので、同じことを繰り返さないようにとチーム全体で話していました。リーグ戦でも点を取った後にバタバタしてしまい、流れが悪くなってしまう事が多かったので、そうならないように点を取った後に全員で声を掛けてやっていました」と自身も出場していた去年の選手権での敗戦の悔しさを糧にやってきたと明かした。キャプテンは次戦に向けて「次の相手は履正社で、(桜宮が)2部と(履正社が)プリンスなので、しっかりいい準備をして臨みたいと思います」と意気込みを語ってくれた。
桜宮は3年生だけで50人近くの部員を抱える公立校だ。東塚監督も「本来は力がある選手たち。私学からは声がかからないけど、身体が大きい子もいるし、良い選手たちが集まってくれている。"強くありたい" "もっと上に行きたい"とモチベーションが高い子達なのでなんとか勝たせてあげたい」と、公立校の看板を背負っている選手たちの気持ちを代弁する。次戦の相手は前回大会王者で現在プリンス関西首位の履正社だ。指揮官は「次は履正社さんなんで、相手が強いのは百も承知です。自分たちのできることを精一杯やって、まずはなんとか前半を0-0で行きたい。1度か2度は必ずチャンスはあると思うのでそこを沈められるか。真っ向勝負とは行きませんけど、駄々引きしてとはやらないですし、この子たちもそれは望まないので。相手はプリンス1位のチームなんでうちにとっては失うものは無いです」と強敵に挑む強い決意をコメントしてくれた。
雰囲気が悪くなる時と流れが良い時の差が激しいという今年の桜宮。是非、"流れが良い"最高の状態の桜宮で前回王者に挑んで熱い試合をしてくれることを期待したい。
(文・写真=会田健司)
▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
第100回全国高校サッカー選手権大阪予選