リーグと選手権の2冠に向けて大阪学院大高が8発スタート!三島は見事なカウンターで一矢報いる

強い想いを持って選手権に挑む大阪学院大高MF8番山本未来翔

 10月10日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の4回戦が行われ、三島vs大阪学院大高は大量得点を決めた大阪学院大高が8-1で三島を下した。勝利した大阪学院大高は5回戦で帝塚山泉ヶ丘と対戦する。

 三島は2回戦で東淀工に27-0、3回戦で淀川工科に2-0と勝利し勝ち進んできた。一方、「去年から1部と2部リーグの試合にチームの中心として出ていた子が多いので、チームの完成度とかやりたいことは早い頃から出来ていた」(小野原明男監督)という大阪学院大高は大阪1部リーグで順調に勝ち星を重ね、見事に優勝を決めこの選手権の初戦に臨んだ。

 試合は序盤からその大阪学院大高が主導権を握る。しかしチャンスは作るものの、三島の積極的なプレスと初戦からくる硬さでフィニッシュの精度を欠き無得点のまま時間が経過。早めに先制したい大阪学院大高は28分、中央をパス交換でプレスを掻い潜ると8番MF山本未来翔からのスルーパスを受けた7番FW北田統士が右から斜めにボックス内に侵入し飛び出してきたGKを見て冷静に左足で浮かせてゴールに流し込んだ。この先制点で硬さが取れた大阪学院大高のゴールラッシュがここから始まる。

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 34分、MF山本の強烈なミドルシュートがDFに当たってコースが変わりゴールに吸い込まれ2点目。後半に入り45分、右サイドからカットインしてドリブルでバイタルに侵入したFW北田のノールックパスで抜け出した27番MF麻田悠翔が落ち着いて決めて3点目。47分には左CKがDFに当たりオウンゴールで4点目。48分、10番FW青木玲が中央で鋭い縦パスを通すとポストに入った2番MF坪井翼がこれをフリック。3人目の動きで抜け出した4番MF新名拓陸がGKとの1対1を制し5点目。51分、ボックス右を突破したMF坪井のマイナスの折り返しにFW北田が合わせて6点目。56分、右CKの落としを9番FW前田大翔が流し込み7-0。

 一方的な展開の中、ここまで大阪学院大高の攻撃に圧倒されていた三島も魅せる。74分、カウンターから右サイドでフリーになった10番MF阪本聖弥が相手を引き付けて中央の15番MF香川天佑にパス。最後はMF香川からのスルーパスを受けた11番FW平田陽太郎がGKと接触しながらもシュートをゴールにねじ込んだ。1点を返されてしまった大阪学院大高だったが78分に24番DF島田楓吏が右CKに合わせて8点目。これで試合を締めくくった大阪学院大高が8-1で初戦を勝利で飾った。

一矢報いるゴールを決めた三島11番FW平田陽太郎

 ここで大会から姿を消すことになってしまった三島だが、序盤から強豪相手に積極的にプレスを仕掛けるなど、選手たちは堂々と戦えていた。大量失点を浴びた中でもゴールを目指し、一矢を報いたカウンター攻撃は見事の一言。2年生主体の今年のチームにあってゴールを決めて公立校の意地をみせたFW平田も2年生。戦える選手が揃っているだけに、新チームによる今後の活躍にも期待したい。

 そして「リーグ戦はいい形で優勝できて、そのリズムというかそのイメージを持って」(小野原監督)順調な選手権のスタートを切った大阪学院大高。プリンス、プレミアのチームや大学とも定期的に練習試合をやっているだけあってさすがのレベルの高さをみせた。「今年は技術の高い選手が揃っていて、ボールを握れてゲームを支配できるチーム。新チームになった時から『今年からはそういうサッカーをしていくぞ』と落とし込みをしてきました」と小野原監督がしっかりチームを作り上げてきた。「リーグ戦とトーナメントは戦い方や雰囲気が別物なので、今日の経験をもとにトーナメントを戦う意識を作っていきたいです」と指揮官も言うように、あとはトーナメントを勝ち上がりながら波に乗っていけるかがポイントになってきそうだ。

 キャプテンMF山本未来翔は「初戦ということで前半は動きが硬くてすぐに点を取る事が出来ない中、徐々に点が取れてよかったんですけど、最後の失点だけはしょうがないでは終わらせられない」と失点に繋がったプレーに対し危機感を示した。「今年は元々、3冠を目指してスタートしてインターハイで負けてしまったので、リーグとこの選手権に掛ける想いは強い」とリーグを制覇した今、残る目標は選手権大阪王者に絞られた。大阪学院大高の2冠への挑戦がここから始まる。

 (文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
第100回全国高校サッカー選手権大阪予選