茨木が8発大勝で4回戦を突破!5回戦の相手はインターハイ予選準優勝の大阪桐蔭

2ゴールの活躍をみせた茨木10番DF沖本真夢

 10月10日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の4回戦が行われ、茨木vs阿倍野は最後まで攻撃の手を緩めなかった茨木が8-1で阿倍野を下した。勝利した茨木は5回戦で大阪桐蔭と対戦する。

 茨木は1回戦から福井に2-0、泉陽に1-0、交野に2-0で勝ち上がってきた。一方、阿倍野は2回戦で門真西に2-0、3回戦で追手門学院に3-0で勝利。ここまで無失点で勝ち上がってきたチーム同士の対戦となったが、試合は一方的な展開となる。

 「先週の試合を観に行っていたので、相手の分析をしてボールを動かして相手を80分走らせれば確実に点は取れると思っていたので、崩すトレーニングをしてきた」(都浩司監督)と序盤から茨木がボールを握る。しかし、決定機が茨木に何度も訪れるも阿倍野1番GK日下涼央がファインセーブを連発しスコアレスのまま飲水タイムへ。

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 飲水タイム中、耐える展開が続く阿倍野ベンチでは「ここまで耐えれてるぞ!自信を持て!」と檄が飛ぶなか試合再開。しかしそれでもゲーム展開は変わらず遂に茨木が均衡を破る。30分、ボックス内左を縦に突破した9番MF馬場秀大からのクロスに97番乾晶仁がファーサイドで合わせて先制点。これで勢いに乗った茨木は34分に39番FW坂田晃樹が追加点を決めると、36分にはCKから10番DF沖本真夢にもゴールが生まれ一気に3点のリードを奪い前半を終える。

 後半に入っても茨木の勢いは止まらない。42分に早速DF沖本がこの日2点目となるゴールを決めると、47番MF泉谷賢、MF馬場、13番FW伊藤啓がゴールを重ね7-0。苦しい展開となった阿倍野だったが、「ここまで来たんだ楽しもう!いい経験が出来てるぞ!」「このまま終わったら悔いが残るぞ!1点取ろう!」とベンチの17番DF大山凌平がピッチ内の仲間を励まし続ける。すると76分に7番FW岩本大樹がそのDF大山の声に応える形でゴールを決めた。

選手権大阪予選 4回戦 茨木 vs 阿倍野

 一矢報いた阿倍野だったが、その後に26番MF木内笙太に8点目を決められて試合終了のホイッスル。最終スコア8-1で茨木が勝利し次戦に駒を進めた。

 残念な結果となってしまった阿倍野の天野雄介監督は「力の差があるチームとの対戦だったのでどこまで粘れるかが鍵だったんですが、中々粘れずに相手のペースになってからはワンサイドゲームになってしまいました。相手のプレッシャーが速いのと1対1でしっかりやってくるという事で、2対2でのプレスを50cmでも寄せるとかをこだわって、カバーの位置をGKと連携を取るというところをトレーニングしてきたんですが、相手がそれを上回るパフォーマンスをしていたのでそれが結果に繋がったのかなと思います」と試合後にゲーム展開を振り返った。

 続けて天野監督は「2回戦3回戦は同じくらいの力の相手との試合で、その中で勝ち切る事によって今日まで成長しながら戦えました」と選手権を戦い終えて1.2年生のチームの成長を実感できたとコメント。ベンチで80分味方を鼓舞し続けたDF大山(2年)に対しては「プレーでは中々試合に絡めていないんですが、気持ちの面で常に意識を高く思ってくれている子なのでそれが自然と声に出ているんだと思います。なにも教えていないんですけど、凄くいいことだし、彼も試合に絡めるようになればサッカー以外の事に関してもこれから自信を持って色々挑戦できるようになると思うので頑張って欲しいです」とチームに力を与えてくれる存在と認め、DF大山の今後のプレー面での成長に期待を寄せた。

 一方勝利した茨木の都監督は「(阿倍野は)1.2年生のチームで力の差があるのはわかっていたんですが、本当に頑張る良いチームでしたね」と阿倍野イレブンの頑張りを讃え、「点が入っていくと緩んでしまうところもあったので、頑張っている3年生を使いながら最後まで良いゲームが出来たんじゃないかなと思います」と試合を振り返った。

 5回戦に進出を決めた茨木の次戦の相手は今年のインターハイ大阪予選準優勝校で全国大会にも出場した強豪大阪桐蔭だ。その大阪桐蔭について都監督は「大阪桐蔭さんは尊敬するチームの一つで、よく練習試合もさせて頂くんですけど、選手自身が凄い喋ってミーティングも自分たちでやったりしていて、いつもすごく参考にさせてもらっています。大学の先輩もいますし、監督さんも尊敬していますし、そこと当たれるのを凄く楽しみにしていたので、やっとそのステージに立てました。うちは120%、130%、140%ぐらい出さないと戦えない相手なんですけど、尊敬する相手と戦えるので次戦に向けて頑張ってトレーニングしたいと思います」と意気込みを語ってくれた。

 都監督が尊敬する大阪桐蔭相手に茨木イレブンがどこまでやってくれるのか。次戦が好ゲームになる事に期待したい。

 (文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
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