劇的な同点ゴールを決めPK戦を制したヌヴェールイレブン

　10月17日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の5回戦が行われ、香里ヌヴェール学院vs清風はラストワンプレーで同点に追い付いた香里ヌヴェール学院がPK戦で清風を下した。勝利した香里ヌヴェール学院は6回戦で興國と対戦する。

　3回戦から順調に勝ち上がってきた大阪2部リーグ所属の香里ヌヴェール学院。対する1部リーグの清風は4回戦で高石に7-0と大勝してこの5回戦に挑んだ。

　香里ヌヴェール学院は1年生守護神、1番GK加藤里玖都とDFラインに2年生2人が入り、3年生が8人というスターティングメンバー。清風は20番MF平井半平太(2年)を除く全員が3年生というメンバーでスタート。

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　試合は序盤から互角の攻防が繰り広げられる。しかし、追い風に乗った清風がロングスローも使いながら次第にペースを握ると、MF平井や3番FW春山陸斗がシュートを放っていく。対する香里ヌヴェール学院も9番FW大久保琉慎が前線でボールを収め、清風を押し返す。

　そのままスコアレスで後半を迎えると、今度は追い風の香里ヌヴェール学院が押し込む展開。しかし香里ヌヴェール学院がチャンスに決め切れずにいると押されていた清風がワンチャンスを生かす。72分、右CKからゴール前で混戦になると、こぼれ球を拾った7番MF相原旺祐が押し込み先制に成功する。

　残り時間8分+ATでリードを許した香里ヌヴェール学院はここから怒涛の攻撃を展開。しかし逃げ切りたい清風も身体を張って対抗。そしてアディショナルタイムも3分が経過したところでドラマが生まれる。

　80+3分、香里ヌヴェール学院は20番MF久保田遥斗が中盤で拾ったボールをダイレクトで左サイドに展開。これを受けた13番MF深谷玲音が1対1を仕掛けボックス内深くまで侵入しマイナスにラストパス。ニアで14番MF福元優空が合わせるとシュートはゴールネットに突き刺さった。そしてこの劇的な同点ゴールと同時に後半終了のホイッスル。

　勝負がPK戦にもつれ込むと、ここで香里ヌヴェール学院の1年生守護神が大仕事をやってのける。GK加藤は先攻の清風の1.2本目を右に左に読みを当てて連続でシュートストップに成功。後攻の香里ヌヴェール学院は2本目を外すもその後はしっかり沈めPK戦を4-3で制した。PK戦中は顔色一つ変えなかったGK加藤だったが、最後の勝負が決まった瞬間に仲間の元に走り出し喜びを爆発させた。

　劇的な同点ゴールからPK戦で見事に勝利した香里ヌヴェール学院が6回戦に進出。そして6回戦の相手はインターハイ予選5回戦で敗れた興國に決まった。前回の対戦時は前半にシュート3本で3ゴールと決定力の違いを見せつけられた相手だけに、香里ヌヴェール学院としては接戦に持ち込みたいところだ。香里ヌヴェール学院が興國にリベンジし8強入りするか、J内定3名のタレント軍団が挑戦者を退けるのか。次戦も熱い戦いが期待できそうだ。

　(文・写真＝会田健司)