3度のビハインドから3度追いついた大阪産大附がPK戦で興國を破り準決勝進出!

起死回生の同点ゴールを決めた大阪産大附1年生13番FW福元爽真

 10月31日、第100回全国高校サッカー選手権大阪予選の準々決勝が行われ、興國vs大阪産大附は3度のビハインドを跳ね返しPK戦を制した大阪産大附が興國を破った。勝利した大阪産大附は準決勝で阪南大高と対戦する。

 今年も3名のJ内定者を擁する全国屈指のタレント軍団である興國は5回戦から関大北陽香里ヌヴェール学院を破り準々決勝に臨む。対する初優勝を目指す大阪産大附は、5回戦から初芝立命館大阪学院大高に1-0と勝ち進んできた。

 試合開始2分、前線からプレスを仕掛ける大阪産大附にいきなり決定機。左サイドを崩すとクロスをニアで収めた9番FW増田哲平が反転してシュート。しかしこれは左ポストに弾かれノーゴール。最初のピンチを乗り切った興國は16分、右サイド深くでボールを持った川崎F内定の11番MF永長鷹虎がマイナスにカットインしながらシュートコースを作り左足を振り抜く。このシュートがファーサイドのポストに当たって跳ね返ったところを山形内定7番FW荒川永遠がゴールに押し込み興國が先制する。

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 リードを許した大阪産大附も得意のサイド攻撃から2度FW増田がヘッドでゴールを脅かす。33分のシーンでは決まったかと思われたFW増田のシュートをゴールライン上で5番DF西川楓人が間一髪のクリアで逃れる。前半は1-0興國リードのまま終了する。

 後半に入ると42分、大阪産大附は11番MF清水亮太が中央左寄りでボールを受けるとドリブルで縦に勝負。そのままボックス内に侵入すると「中にあまり選手がいなかったので狙ってみよう」と左足を振るとボールはGKの頭上を越えて逆サイドネットに吸い込まれた。

延長前半にFW荒川永遠のゴールで興國が突き放すも...

 追い付かれた興國もすぐさま引き離す。失点から3分後の45分、左サイドからの浮き球をボックス右で上手くコントロールしたMF永長が「あの角度で(DFと)1対1になったら絶対決めれる自信がある」と対面したDFを剥がし得意のカットインシュートを突き刺す。

 MF永長のゴールで勝ち越した興國だったが前半と同様にここから大阪産大附の反撃を受ける。大阪産大附は右サイド10番MF島田賢斗、左サイドMF清水がサイドバックと連携しながら攻撃を展開。すると試合時間も僅かとなった79分、右サイドからのクロスに投入されたばかりの1年生FW福元爽真が「残りわずかだったので気持ちで叩き込みました」とゴール前で頭で合わせゴール。大阪産大附が土壇場で追い付き試合は延長戦に突入する。

 延長に入ると今度は興國がまたもや突き放す。87分、縦パスを14番MF山本蒼太がフリックするとFW荒川がスピードでDFを振り切り、前に出てきたGKに対し落ち着いてシュートを浮かせてゴールに流し込んだ。今度こそ決着が付いたと思われたが、延長戦終了間際の100+1分、ロングボールのこぼれ球を拾った途中出場の21番MF河本真翔がゴールから約25mの距離から迷いなく右足を振り抜く。「正直蹴った時に入ったなと思った」という強烈なシュートはGKの手を弾いてゴール左に突き刺さった。

 3-3の振出しに戻った試合は延長戦でも決着が付かずそのままPK戦へ。PK戦は両GKが1本ずつ止めてサドンデスに突入。6本目も両GKがシュートをストップし迎えた9本目。先攻の興國が失敗したのに対し、後攻の大阪産大附はきっちり決めてここで死闘に終止符が打たれた。3度リードを許すも3度追いつく粘りを見せた大阪産大附がPK戦を制し準決勝に進出した。

 中西幸司監督が監督に就任して以来初のベスト4入りを果たした大阪産大附の次戦の相手は、この日第1試合で金光大阪を破った阪南大高に決まった。興國有利の下馬評を見事に覆し勢いに乗る大阪産大附がインターハイ予選大阪王者を破りファイナルに辿り着けるか。注目の準決勝は11月7日にヨドコウ桜スタジアムで行われる。

 (文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
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