北海が昨年の王者に勝利 急造FWの笹森が期待に応える2ゴールで決勝進出

北海 vs 札幌大谷(写真=有岡志信)

 10月23日、札幌厚別公園競技場で準決勝行われ、北海が2-1で昨年優勝の札幌大谷を振り切った。札幌大谷の2連覇の期待の声が高まる中、北海が下馬評を覆すパフォーマンスを発揮、2年ぶりの優勝に向けてあと1勝に迫った。

 前半20分までは札幌大谷ペース。1タッチパスなどを細かくつなぎ、北海の守備陣を切り崩す。中盤をコンパクトに保ち、素早いビルドアップで北海ゴールに揺さぶりをかけ続けた。北海は防戦一方の展開も、守備に人数をかけてブロックをつくり、札幌大谷の攻撃を耐えた。システムは北海の3-4-2-1に対し、札幌大谷が4-4-2。北海は3バックを局面に応じて5バックにするなど、手堅い守備陣形を構築する。

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 試合が動いたのは前半の給水タイム直後の22分。北海が右サイドのクロスが起点となり、FW笹森洸成(3年)が「反応できなかったが、自分のところにくると信じて走って、落ち着いて流すだけだった」という先制ゴール。2点目は「サイドの選手が中まで入って、自分が詰めるという感じ」と振り返った。後半ロスタイムに1点を返されたが、GK伊藤麗生(3年)の好セーブもあり、決勝進出をもぎ取った。

北海イレブン(写真=有岡志信)

 笹森のこれまでの位置は左ウイングバック。札幌支部予選後にFWへ転向してから約1カ月。それでも、「チームの中で身長が高く(180cm)、体力もあり、足もある(チーム一の俊足で50m6.1秒)ので」と平然としていた。登別緑陽中時代に何度かFWの経験はあるが、高校では初めて。島谷制勝監督は笹森の「スピード、ドリブルで相手の背後を取るなど、ボールを前に運ぶ意識が高い」と転向の理由を説明した。

 北海の今大会の登録メンバー25人中、中学時代にクラブチームに所属していなかったのは笹森ただ一人。北海へは自ら練習参加して進学を決めた。入学当時、3段階あるチームで最も下のサードチームから、2年夏にトップへはい上がってきた。「昨年は自分のサイドからやられたことが多く、今年こそやり返す」と笹森。6月のインターハイ北海道予選では初戦(2回戦)敗退の無念も併せて選手権の舞台で晴らす。

(文・写真=有岡志信)

▽第100回全国高校サッカー選手権北海道予選
第100回全国高校サッカー選手権北海道予選