先制許すも精神面で成長示した川越西が市立川越に逆転勝ち

 第100回全国高校サッカー選手権埼玉県予選1次予選1回戦、グループAは川越西が5-2で市立川越を下し、2回戦に進出した。

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 先にスコアを動かしたのは市立川越だった。前半8分、敵陣左中間で受けた10番のMF石川大葵(3年)が思い切って右足を振り抜くとボールは綺麗な放物線を描いてゴールに吸い込まれた。

 逆に川越西は序盤、押し込んでいた中での失点。西田陽祐監督は「ちょっと緊張しているような様子だった中で先制されて悪い流れになると嫌だなと思っていた。このチームは結構そういう悪い流れの時に立て直せなくてゲームを落とすことがこの夏休みの間も結構多かった」と語る。

 それでも「その部分で気持ちを強く持って、(そういう流れの時も)立て直すというところを課題にしてやってきていたので、その点が今日は出て、課題克服に近づいたのかなと思います」。

 落ち着いて攻め続けると、飲水タイム直前の前半22分、DF深田涼介(1年)の浮きパスに動き出したFW宮本瑛矢(3年)がエリア内で深く切り返し、左足で流し込んで同点に。さらに引水開けの24分にMF斉藤龍太(3年)が抜け出し左足で奪って逆転。27分にはDF川嶋真凜人(3年)のアーリークロスを収めたMF酒井稜太(2年)が反転から左足でゲットしてリードを広げた。

 一方、市立川越もテクニックのある石川やMF泉名舜(2年)が相手を剥がしながら攻撃へ。そして33分、石川のクロスにFW牧野碧泉(2年)が押し込んで1点差とし、前半を終えた。

 後半は暑さもあり、両チームともに運動量が落ちた中で次の1点を奪ったのは川越西だった。決めたのは10番で主将のMF大槻龍太(3年)。「よく声をかけてくれて、チームをまとめてくれる良いキャプテン。彼が決めてくれたというのが個人的にもすごく嬉しい」と指揮官も信頼を置くエースのゴールで引き離すと、終盤にもオウンゴールで1点を追加して5-2で勝利した。

 「個が結構技術があったり、スピードがあったり、そういう特徴のある選手が揃っていて面白い。チームワークの良さも特徴」(西田監督)。その反面苦しい時に力を発揮出来ない甘さもあったというが、初戦の緊張のかかる試合で、尚且つ先制される展開をひっくり返せたのはひとつ成長だ。

 2回戦はシードの川口北との対戦。相手はインターハイ予選で16強入りした強敵だが、「良い流れを作れたと思うので、思い切りぶつかりたい」とこの流れでぶち当たり、勝利を目指す。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登

▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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