上位進出が見込まれた聖望学園が初戦敗退!国際学院が3点差をひっくり返し、4-3で逆転勝ち

歓喜の国際学院イレブン

 100回の節目の大会を迎えた全国高校選手権埼玉大会は9日、全国高校総体予選のベスト8をはじめ、県Sリーグ加盟校など52校が参加して決勝トーナメントが開幕。1回戦22試合が行われた。

 前回8強で県S1リーグの聖望学園、同ベスト16で県S2リーグの国際学院が対戦した好カードは、国際学院が3点差をひっくり返し、4-3で逆転勝ち。19日の2回戦で立教新座と対戦することになった。

 前半35分までに3失点。旗色が悪かった国際学院だが、前半終了間際にMF片山星空(2年)がミドルシュートを決めて前半を折り返した。後半2分には、片山の蹴った右CKからDF齋藤莉来(2年)がヘディングシュート。聖望学園にとっては最悪、追い掛ける国際学院には最高の時間帯での2ゴールとなった。

 3点目は左FKからだ。片山の柔らかいボールをDF白石龍也(2年)が頭で合わせて同点にすると、3分後には右CKから片山がニアサイドに鋭いボール供給。エースFW曹喜琉(2年)がヘッドで押し込み、とうとう逆転に成功した。

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国際学院が3点差をひっくり返す

 2年生が9人先発という若い陣容ながら、国際学院は3点のビハインドにも消沈せず、辛抱強く1点ずつ返していった粘り強さが光った。

  前回大会の唯一のレギュラーである主将でボランチの野中慎平(3年)が、攻守に幅広く貢献し、トップ下の片山が巧みなキックで得点機会を構築。後半は攻勢の時間帯が長く続き、敵陣で試合を進めるシーンが多かった。

  就任9年目の酒井宏治監督は、「前半はセカンドボールを拾えず、押し込まれて苦しくなったが、後半はうちらしい戦いができた。3失点はいただけないが、3年生の踏ん張りと2年生の勢いが出た試合でした」と驚異の逆転劇を喜んだ。

 1トップで奮闘した曹について指揮官は、「動き出しの早さなど優れた面がたくさんあり、曹がヘディングで競り勝ってくれることでチャンスになっている」と褒め、さらなる成長に期待していた。

 聖望学園にとっては、まさかの展開と結果になった。

 前半19分、FW本間翔太(2年)が右から持ち込み、MF柑子木咲琉(3年)を経由して最後はFW神山瑛央(3年)が先制ゴール。21分には、左から軽快なドリブルで運んだFW榎戸凛(3年)が蹴り込み、35分にも柑子木の右クロスをMF市原憐(1年)がヘッドで流し込み、楽勝ペースも予想された3点を奪取。

 しかし前半アディショナルタイムに決められたミドルシュート、後半が始まってすぐにCKから失ったこの2点が痛かった。後半は決定的な場面をほとんどつくれず、無得点に封じられ、上位進出が見込まれた有力校が1回戦で姿を消した。             

(文・写真=河野正)