埼玉栄が総体予選に続き山村国際を下し2回戦進出
埼玉栄 vs 山村国際
第100回全国高校選手権埼玉大会は9日、全国高校総体予選ベスト8や県Sリーグ所属校など52校が参加して決勝トーナメントがスタート。1回戦22試合が行われた。
県S2リーグ加盟で前回ベスト16の埼玉栄は、山村国際を2-0で破った。両校は6月の令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選1回戦でも顔を合わせ、埼玉栄が4-2で勝っていた。山村国際は昨年に続いての1回戦敗退となった。埼玉栄は16日の2回戦で伊奈学園と対戦する。
埼玉栄の先発メンバーは1年生が1人、2年生が5人、3年生が5人で、システムは4-2-3-1。山村国際は3年生が9人で、1年生と2年生が1人ずつの4-4-2という陣形でスタートした。
山村国際がいくらか守備的な戦法で臨んできたこともあり、埼玉栄は流れの中からほとんど絶好機を迎えられなかった。前半の唯一の得点チャンスは35分、MF蓜島圭(3年)の左ロングスローからMF石束朋大(2年)が放ったヘディングシュートくらいだった。
一方の山村国際は守備を固めて逆襲・速攻を狙う戦略が功を奏し、前半に限ってはやや優勢に試合を進めた。前半27分、MF安岡拓未(3年)の強烈なシュートがポストをたたいたのに続き、32分にはFW加藤有貴(3年)が左からテンポ良く運んでシュートしたが、わずかに右にそれてしまい、絶好の先制機を逃してしまった。
両チームともシュート3本、無得点で前半を折り返した。
埼玉栄 vs 山村国際
埼玉栄は後半11分、左MF樋口有斗(2年)が左からカットインして惜しいシュートを打ったが、GKの正面を突いてゴールを割れない。それでもその4分後、後半開始からピッチに立ったMF沖中愛斗(2年)が右から豪胆に攻め上がって好配給すると、エースFW安倍颯汰(2年)がファーサイドで合わせて待望の先制点をもぎ取った。
1点を追う山村国際が反撃に出てくる間隙を縫い、4分のアディショナルタイムに入ったその時、途中出場のMF小川史門(2年)のシュートをGKが弾き、そのこぼれ球を再び安倍が蹴り込んで決定的な2点目を奪った。
苦しみながらも初戦を突破した稲垣忠司監督は、「先発したトップと両サイドは1、2年生ですが攻撃の起点になる選手ばかりです。2得点の安倍はゴールの嗅覚がある」と説明し、「難しい初戦を無失点で勝てたのは大きいのでこれを2回戦につなげたい」と述べた。
山村国際は4月から高田優二監督が就任し、前任の荻野賢喜監督が総監督となった。ふたりとも公立高校で実績のあるベテラン指導者だけに、全国高校総体予選の時に比べ、チーム力は確実アップしていた。
(文・写真=河野正)
▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選