エースFW市川遥人が4発!西武台、花咲徳栄に8-0大勝
西武台イレブン(写真=河野正)
第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選の決勝トーナメントは16日、全国高校総体予選ベスト8のうち、決勝に進んだ正智深谷と武南を除くシード6校が登場。2回戦14試合が行われ、ベスト16が決まった。正智深谷と武南は23日の3回戦が初戦となる。
関東高校大会予選を無失点で制し、6月の本大会でも11年ぶり3度目の優勝を遂げた西武台は、花咲徳栄を防戦一方に追いやり、エースFW市川遥人(3年)が4得点するなどして8-0の大勝スタートを切った。3回戦で埼玉栄と対戦する。
主力に故障明けとけが人が続出した西武台は、ベストの先発布陣から数人を欠いた構成となり、陣形はMF岡田瑞生(3年)をアンカーに配置する4-3-3を試みた。しかし選手層の厚さは相変わらずで、どこからでもリズミカルにパスがつながり、持ち前のサイドアタックから数々の得点機をつくった。
前半7分、右CKから岡田がヘッドで合わせて先制すると、その後11分間で一気に4点をもぎ取る。25分に相手DFのパスミスから市川が決め、1分後にはSB安木颯汰(3年)がMF山本匠馬(3年)との壁パスからゲット。30分にFW福沢安莉(3年)の左クロスを市川が頭で流し込み、市川は36分にもGK淺沼李空(3年)のゴールキックから抜け出してハットトリックを完成させた。これで5点目、前半でほぼ勝敗の行方は決した。
花咲徳栄 vs 西武台(写真=河野正)
2大会ぶりに決勝トーナメントに進出し、1回戦を3-0で勝ち上がった花咲徳栄は、つなぎのパスでミスを重ねてしまい、いざ攻撃という段階で西武台の厳しいプレスに遭って複数のパスが通らなかった。1回戦で2得点したFW岡崎爽多(3年)、1ゴールのFW渡邊遥士(3年)に効果的な最終パスを届けられず、前後半を通じて決定的シュートはごくわずか。得点の可能性が高かったのは、後半23分に岡崎の左クロスから渡邊がヘディングで合わせた1本くらいだった。
西武台は後半に入っても攻勢の時間帯を維持。8分に安木の左クロスを市川が蹴り込み、13分には山本、16分にはMF丸山実紀(3年)が続いて計8点を奪取する圧勝となった。安木は打点の高いヘッドのほか、スピード豊かな攻撃参加に足元の技術にも優れたSBだ。
ベテランの守屋保監督は「3点くらいの試合をイメージしていたのですが、ベストメンバーでない中の8得点にはちょっとびっくりしました」と喜びと驚きが半々のようだ。
夏休みの練習中にけが人が相次ぎ、無敗で首位に立つ県S1リーグのやり繰りにも苦心したそうだ。そんな中「自分のたちのサッカーだけではなく、蹴り上げる練習もしてきました。戦況によっては相手のやり方に合わせて戦い抜くことも必要。今日はシステムにはこだわらず、勝負にこだわりました」と守屋監督。ベストメンバーを編成した時、どんな戦いをするのか楽しみだ。両者がそろって3回戦も勝ち上がると、西武台と昌平の両優勝候補が準々決勝で激突することになる。
(文・写真=河野正)
▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選