浦和東、3-0で浦和学院を下し3大会ぶりの8強

浦和学院 vs 浦和東

 第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選は23日、3回戦8試合が行われ、ベスト8が決まった。前回大会はそろって2回戦で敗退したチーム同士の対戦は、浦和東が3-0で浦和学院に快勝し、3大会ぶりの8強に進んだ。30日に浦和南と準々決勝を争う。

 6月の全国高校総体予選ベスト4で、県S2Bリーグ3位の浦和東は、初戦となる春日部との2回戦に6-0で大勝。勢いをそのまま3回戦に持ち込んだような戦いぶりで、序盤から優勢に試合を進めた。

 4-4-2の陣形に変わりはないが、けが者もあり全国高校総体予選の時とは先発メンバーが数人入れ替わった。故障中の右MF三浦祥(3年)に代わって橋本創(3年)が入り、左MFだった櫻井龍星(3年)が巧みなドリブルを駆使するFW前原健人(3年)と2トップを組んだ。左SBだった林田明日翔(3年)がCBに抜てきされるなど、今大会に向けて微調整してきた。

 浦和東は昨年からのレギュラーである主将でボランチの紀武瑠が、的確にパスを散らして中盤をリードし、外から効果的なアタックを展開した。前半13分、前原が持ち前のドリブルからペナルティーエリアに進出。浦和学院のDFに倒されてPKを獲得すると、自ら冷静に決勝点となる先制ゴールを蹴り込んだ。

 19分にはDF若原凛飛(2年)の左ロングスローがゴール前で混戦となり、素早く反応したMF成中悠真(3年)が押し込んで2点目。後半36分には途中出場のFW豊田春斗(3年)のシュートを相手GKが弾き、そのこぼれ球をミートした櫻井が2試合連続得点を決めた。

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試合後の両校

 指揮官から「前線から精力的にボールを追い掛け、チームのために尽くしてくれる」と褒められた櫻井は、「自分はとにかく一生懸命プレーするだけ。攻守とも前線からスイッチを入れるつもりでやっています。次も浦和対決ですが、浦和と名の付く相手には負けたくない」と闘争心をたぎらせた。

 就任4年目の平尾信之監督は「今日のテーマは走り勝つことでしたが、全員がその通り懸命に走ってくれた。内容も良かったが、勝ってほっとしています」と喜んだ。準々決勝でぶつかる浦和南の野崎正治監督は、浦和東時代の恩師だ。全国高校選手権埼玉大会では初対決となるが、「100回の記念大会で対戦できるのはうれしい。いい試合をやりたいですね」と次戦を待ちわびていた。

 関東高校大会予選ベスト8で、県S1リーグ所属の浦和学院は、慶応志木との1回戦を2-0で快勝し、2回戦は東野に3-2で競り勝った。しかしこの日は相手の前線、中盤からの厳しい重圧に遭って速く鋭い攻撃がなかなかできず、敵の守備を完全に切り崩す場面が少なかった。

 大澤武宏と阿部優磨の両3年生ボランチに球を集め、上田海輝人と石川真稀(ともに2年)の強力2トップがゴールを狙ったが、前後半で4本のシュートしか打てなかった。後半14分、石川の右クロスから上田の放った一撃が右ポストをたたいた。これが決まって1点差になれば、勝敗の行方は分からなかった。

            

(文・写真=河野正)

▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選