立教新座、延長戦の末に越谷西を3-0で下し57年ぶり2度目の4強
越谷西 vs 立教新座
第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選の決勝トーナメントは30日、浦和駒場スタジアムで準々決勝2試合が行われ、第1試合では立教新座が初のベスト4進出を目指した越谷西を延長の末3-0で下し、校名が立教だった1964年の第43回大会以来、57年ぶり2度目の4強に進んだ。初の決勝進出を懸け、11月7日の準決勝で浦和南と対戦する。
前回ベスト8で、今季も関東高校大会と全国高校総体の両予選で8強入りし、安定した力を発揮する立教新座は、左ウイングの大塚康生(3年)が前線を流動的に動き回ってチャンスメーク。トップ下のMF高松大地(3年)やボランチの石田大河(3年)を経由してパス展開し、鋭いサイドアタックを仕掛けた。
前半だけで7、9、12、15、23、39分と決定的な先制機を築きながら、シュートの精度が低く確実に枠を捕らえる一撃が少なかった。
ほぼ互角の内容となった後半は、6分のFW太田裕哉(3年)の決定打が相手の1年生GK竹内耀平に阻まれ、25分のDF今野朝陽(2年)のシュートはバーをたたいた。一方の越谷西は、CB内田健太(3年)を中心とした粘り強く忠実な守備で対抗。前半の立ち上がりは主導権を握り、右MF井上晃介(3年)の突破や、ボランチ長谷部碧(3年)の好配給から好機を膨らませ、33分に右CKから、5分後には長谷部の右クロスをMF松坂尚樹(3年)が合わせたが、うまくミートせずに先制機を逃した。後半10分には途中出場のMF内藤蒼一郎(3年)が左から鋭い最終パスを送り、松坂と井上が連続シュートを放ったが、決められなかった。
2点目を決めた立教新座MF熊谷哲人
前後半を終えて0-0のまま延長戦に突入。立教新座はその前半9分、FW齋藤洋大(2年)がゴール前に投じた左ロングスローがオウンゴールとなり、決勝点をもぎ取った。後半3分にはDF岡本聡吾(1年)が蹴った右CKからハンドの反則を誘ってPKを獲得。MF熊谷哲人(3年)が決めてリードを広げ、この5分にも岡本の左FKを今野がヘッドで流し込み、延長に入ってから3得点した。
就任9年目の前田和伸監督は「チャンスに決め切れずに焦りも出たが、延長でよく3点も取ってくれました」と数人が足をつりながらも粘り勝ちしたイレブンを褒めた。半世紀を超える4強進出には「少し大袈裟ですが、自分たちで歴史を塗り替えていこうと思います。このチームはまとまりがあって、みんな一生懸命やる選手ばかり」と話した。
2得点に絡んだ岡本は、J2大宮アルディージャと前身のNTT関東で左SBとして活躍した岡本隆吾の子息だ。「左足のキックは自分の持ち味なので自信を持ってピッチに入りました。あと2試合、結果を出して全国に行きたい」と笑顔が弾けた。
3回戦で全国高校総体予選を無失点で制した正智深谷に逆転勝ちし、9年ぶり3度目の準々決勝に進出した越谷西だが、初のベスト4はならなかった。今春、コーチから監督に就任した廣瀬一成監督は「敗れはしたが、とてもいいチームでした。8強の壁は厚いですね。何度でもチャレンジして、またここに来られるよう頑張ります」と捲土重来を誓った。
(文=河野正)
▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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