前半だけで3ゴールの白井が選手権県予選初の4強入り!

選手権県予選初の4強入りを決めた白井イレブン(写真=小室功)

 「今年のインターハイの県予選で、中央学院に先制しながら逆転負けしていたので、あのときの反省を生かしたいと思っていました。先制して、いったん追いつかれたけれど、そのあとも強気に、冷静に戦い抜いて、突き放すことができました。チームとしての成長を感じます」

 選手権の県予選初の準決勝進出を決めた白井。チームを率いて11年目の廣田吉紀監督はこういって喜びを語った。

 前半だけで電光石火の3ゴール。口火をきったのは右サイドハーフの田中颯(3年)だ。15分、鮮やかなミドルシュートがネットを揺らした。

 22分に中央学院のセンターバック、大磯竜輝(2年)に押し込まれて、振り出しに戻るものの、その4分後にFWの山下翔輝(3年)が追加点を奪う。右サイドを切り裂いた田中颯からのグラウンダークロスをけり込んだ。

 「自分のミスから失点していたので、何とか取り返したいと思っていました。余裕があったからなのか、ボールがくるまで長く感じましたけど(苦笑)、落ち着いて決められて、よかったです」(山下)

 そして32分、ダメを押したのが左サイドハーフの吾郷駿(3年)だ。ゴール左のポカリと空いたスペースにタイミングよく抜け出し、パスを受けると、ワントラップのあと、ゴール右隅に流し込んだ。

 攻撃陣の活躍を後方から見つめるキャプテンで、センターバックの岩瀬永遠(3年)は「両サイドに早くボールを運んで、できるだけ相手コートでサッカーをやろうという自分たちのねらいがうまくはまりました。チーム全体が勢いに乗っているなと感じます」と、好感触を口にする。

【フォトギャラリー】中央学院 vs 白井

中央学院 vs 白井(写真=小室功)

 チーム躍進の大きな理由として廣田監督は「4年前から指導にあたってくれている本並健治さんの存在」を挙げた。元Jリーガーで、元日本代表GKでもある同氏の指導は本職のGKに限らず、多岐にわたる。この日も試合会場に駆けつけ、勝利の喜びをともに分かち合っていた。

 新たな歴史の扉を開き、旋風を巻き起こす白井。準決勝でぶつかる難敵・市立船橋に対し、どんな戦いを挑んでいくのか。大きな関心事になっている。

(文・写真=小室功)

▽第100回全国高校サッカー選手権千葉予選
第100回全国高校サッカー選手権千葉予選