武器であるセットプレーを生かして伝統校・市船が大量6ゴールで決勝へ!

市立船橋イレブン

 大量6ゴールを奪った市立船橋の、まさに貫禄勝ちだった。

 11分、右CKのチャンスを生かし、先制点をマークしたCBの小笠原広将(3年)は「選手権の予選は難しい試合ばかりなので、(ゴールを奪ううえで)セットプレーが大事になります。練習してきたことが結果につながってよかったです」と、笑顔を見せた。

 続く19分、ゴール左の位置からリリースされたFKのボールを、キャプテンの平良碧規(3年)がニアに走り込み、巧みなバックヘッドで追加点。前半のうちに2点をリードした市船の波多秀吾監督は「点差が開くまではやはり緊張感があり、思うようなプレーができませんでした。ゴールを重ねていくうちに、少しずつ周りが見えてきましたね。相手のFWがいい状態でボールを持つと、チーム全体にスイッチが入るので、そうさせないようにとハーフタイムに指示しました」と、手綱を締めた。

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 後半12分に再び小笠原が左CKのチャンスをものにし、その3分後に武藤寛(3年)がチーム4点目をゲット。選手権の県予選初の準決勝を戦う白井に対して力を緩めることなく、ねじ伏せにかかった。だが、伝統校に負けまいと意地の一発を見せる。後半28分にキャプテンで、CBの岩瀬永遠(3年)がこぼれ球を押し込んだ。白井の廣田吉紀監督は「次につながる1点。こういった経験はめったにできません。ピッチに立った選手、スタンドで見ていた選手。すべての選手たちに貴重な機会になりました」と、ポジティブに受け止めた。

白井vs市立船橋

 失点直後、すぐさまチーム5点目を決めた市船が後半のアディショナルタイムにさらに1点を加え、準決勝第1試合で勝った流通経済大柏に続き、決勝へ名乗りを上げた。

 「1戦1戦、試合を重ねるごとに力をつけてきました。突出した個性はないかもしれないけれど、一丸となってハードワークできるチーム。守備から攻撃への素早い切り替えや優位性を決勝でも発揮したいと思います」(波多監督)

 「今年のU-18プレミアリーグでは(1-1の)引き分けで終わっているので、決勝では勝てるようにしたいです」(平良)

 市船の3年連続本大会出場なるか。それとも――。

 9年連続同カードとなった千葉県の決勝は11月14日。キックオフは13時10分(予定)だ。

(文・写真=小室功)

▽第100回全国高校サッカー選手権千葉予選
第100回全国高校サッカー選手権千葉予選