セットプレーとミドルで得点を重ねた秀岳館が専大玉名を下してベスト8へ
秀岳館 vs 専大玉名 (写真=井芹貴志)
「第100回全国高等学校サッカー選手権大会熊本県大会」は、ベスト16がぶつかる4回戦に入り、益城町総合運動公園陸上競技場で行われた第1試合では、夏の高校総体熊本県大会で準優勝の秀岳館が登場。専大玉名と対戦した。
立ち上がりからペースを握った秀岳館はまず4分、左からチャンスを作ってコーナーキックを獲得。この場面は得点にならなかったが、続く6分、ショートコーナーからのクロスをDFの丸田龍生が押し込み先制に成功する。
しかし、「早い時間だったが、1、2点は想定内」(吉村修一監督)と割り切った専大玉名は、左右のサイドハーフも下げた6枚のDFラインを作りつつ、勇気を持って押し上げたコンパクトな陣形を保ち、横のスライド対応で縦に入れさせない守備を展開。秀岳館は終始ボールを保持してブロックの外で動かすものの、「相手を引き出せない」(段原一詞監督)時間が続いて攻めあぐねる展開となる。そうした中、右サイドのMF深川碧斗のカットインからのミドルなど、個人で仕掛ける形も増やしていくが、枠をとらえきれなかったり、専大玉名のキャプテン・GK宮本祐成の落ち着いたセーブに阻まれたりと、追加点を奪えない状態で時間が進む。だが終了間際の39分、FW本戸雄大がペナルティエリア外、約25mの位置から強烈なミドルを突き刺し、2-0で折り返した。
秀岳館は後半開始早々の43分、深川が左足ミドルを決めて3-0としたが、専大玉名も48分、相手のコーナーキックから奪ったボールを早い攻めで運ぶと、MF藤田颯太がファウルを誘ってPKを獲得。永江優頼が決めて1点を返した。
秀岳館 vs 専大玉名 (写真=井芹貴志)
その後、専大玉名が「リトリートをやめて、前から奪いに行く」(吉村監督)守備に変えたことで、秀岳館は相手のライン間でボールを受けて前向きを作る場面が増え、アウトサイド深い位置まで運ぶ形からコーナーキックを多数得るが、4点目は奪えず。しかしこのまま3-1で専大玉名をくだして、準々決勝進出を決めた。
敗れた専大玉名の吉村監督は、「練習試合も思うようにできなかったことで経験値の低いチームだったが、さまざまな制約があるコロナ禍で3年生がよく頑張ってくれて、チームとして成長できた。久しぶりにベスト16まで進めた経験を生かして、新チームでベスト8、ベスト4を狙っていきたい」と話した。
一方、秀岳館の段原監督は、「攻撃に勇気を持てなかった」と、引いた相手を崩しきれなかったことに加え、失点につながったリスタートの場面で集中を欠いた点を指摘。キャプテンのFW古賀渓太郎も、「立ち上がりに先制して前半に追加点が取れ、結果として勝てたことは良かった」と振り返りつつ、「相手を引き出すことや、チャンスをしっかり決め切ることが課題」と、準々決勝に向けて気持ちを切り替えていた。
(文・写真=井芹貴志)
▽第100回全国高校サッカー選手権熊本予選
第100回全国高校サッカー選手権熊本予選